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米雇用17.8万人増で予想を大幅超過。一方で「イラン紛争」と「AI導入」が影を落とす

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米労働省労働統計局が公表した3月の非農業部門雇用者数は17万8000人増となり、2月の落ち込みから反転し過去15カ月で最大の伸びを記録しました。事前のロイター調査によるエコノミスト予想は6万人増で、幅は2万5000人減から12万5000人増までとばらつきがありました。失業率は4.4%から4.3%に低下しましたが、労働参加率の低下が主因とみられます。平均労働時間は34.3時間から34.2時間に短縮し、先に労働時間を削る企業行動が示唆されました。賃金は前月比0.2%増、前年比は3.5%増で、5年間で最も遅い伸びの水準となりました。一方で、イランとの戦争が長引く不確実性は労働市場の先行きに下押し圧力を与える可能性があります。

雇用のけん引役はヘルスケアで、ストライキ終結後の3万5000人復帰を含め7万6000人増となり、病院でも増員がみられました。気温上昇を背景に建設業は2万6000人増、運輸・倉庫業は2万1000人増でした。同部門は25年2月のピーク以降で13万9000人減ですが、今回は持ち直しました。製造業は1万5000人増と23年11月以来の伸びを示しつつ、工場雇用は25年1月以降で8万2000人減となっています。レジャー・接客は4万4000人増で、内訳はレストランやバーが中心でした。雇用が増えた業種の割合は49.2%から56.8%へ上昇し、裾野の広がりが確認されました。

一方で、連邦政府雇用は1万8000人減少し、24年10月のピークから累計で35万5000人、11.8%の減少となりました。金融部門も雇用が減少し、専門職・ビジネスサービスでは人工知能の導入に関連するとみられる兆候が表れ、コンピューター・システム設計および関連サービスは1万3200人減少しました。家計調査は弱含みで、雇用者数が6万4000人減少し、経済的理由によるパートタイム就業が増加しました。労働参加率は61.9%に低下し、移民流入の減少や高齢化も重なり約4年半ぶりに62%を下回りました。家計調査の回答率は63.9%と、2月の65.9%から過去最低に落ち込みました。

中東情勢の雇用統計への影響は3月時点では読み取りにくいものの、4月分で反映されるとの見方があります。全米平均のガソリン小売価格は今週、1ガロン当たり4ドルを超え、インフレ圧力や購買力の低下を通じて消費を鈍らせる可能性があります。金利見通しへの影響は限定的で、紛争に伴うサプライチェーンの混乱がまだ経済全体に浸透していないことが背景にあります。年内の利下げ観測は大きく後退し、民間エコノミストからは、雇用の増加は一時的要因に支えられた面が強く、トレンドは弱いとの評価が示されました。イラン紛争が長期化し不確実性が増す場合、雇用や政策運営の不安定さが強まる懸念が指摘されています。

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