カリフォルニア州クパティーノでAppleが経営体制の重要な移行を発表しました。ティム・クックがエグゼクティブ・チェアマンに就任し、ハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのジョン・ターナスが2026年9月1日付けでCEOに就任します。この人事は取締役会の全会一致で承認され、長期的な後継者計画にもとづくものです。クックは今夏の間もCEOを務め、移行の円滑化に向けてターナスと緊密に連携します。クックは新たな役割で、各国の政策立案者との関わりを含む業務を支援する予定です。非執行会長を務めてきたアーサー D. レビンソンは同日付で筆頭独立取締役に就任し、ターナスは取締役会にも加わります。
クックは1998年入社、2011年にCEO就任後、Apple WatchやAirPods、Apple Vision Proといった新カテゴリを牽引し、iCloudやApple Pay、Apple TV、Apple Musicなどのサービス拡大も主導しました。時価総額は約3,500億ドルから4兆ドルへと1,000パーセント以上増加し、年間売上高は2011会計年度の1,080億ドルから2025会計年度には4,160億ドル以上と約4倍に成長しました。事業は200を超える国と地域に拡大し、直営店は500を超える規模になりました。サービス事業は1,000億ドル超の規模に達し、ウェアラブル分野も世界的な存在感を確立しました。自社設計シリコンへの移行も進み、電力効率とパフォーマンスの両面で進化を実現しています。
クックは、プライバシーを基本的人権と位置付ける姿勢を継続し、アクセシビリティへの取り組みも推進しました。カーボンフットプリントは2015年比で60パーセント以上削減され、ユーザー保護の基準づくりや、誰もが尊厳と敬意を持って働ける組織づくりにも注力してきました。クックは、ターナスについてエンジニアの思考とイノベーションの精神を併せ持ち、25年にわたる貢献を評価し、未来へ導く人物と述べています。レビンソンも、ターナスの強い思いと技術的知見、製品へのこだわりがAppleをさらに飛躍させるとコメントしています。クックはレビンソンの助言に感謝し、新体制での連携に期待を示しました。
ターナスは2001年にプロダクトデザインチームに加わり、2013年にハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデント、2021年に同シニアバイスプレジデントとしてエグゼクティブチーム入りしました。iPadやAirPodsに加え、iPhone、Mac、Apple Watchの多世代で新製品ラインの開発を主導しました。特にMacはカテゴリ史上最もパワフルで世界的な人気を誇る水準へと成長し、MacBook Neoの投入で体験の裾野を広げました。昨秋にはiPhone 17 ProとPro Max、薄さと耐久性を備えたiPhone Air、iPhone 17など刷新されたiPhoneラインナップを発表しました。AirPodsもアクティブノイズキャンセリングの強化に加え、処方箋不要のヒアリング補助機能を備え、聴力の健康を支えるシステムへと進化しました。
ターナスは信頼性と耐久性の向上、修理のしやすさを高める設計、製品寿命を伸ばす取り組みを主導しています。再生アルミニウム化合物の開発やApple Watch Ultra 3の3Dプリントチタニウム採用など、素材と設計の両面でカーボンフットプリント削減に寄与しました。クックは、彼のもとでの移行期の連携と自身の新たな役割への意欲を語りました。ターナスは、スティーブ・ジョブズのもとで働いた経験やクックをメンターとする経歴に触れ、半世紀にわたり育まれた価値観とビジョンで前進する決意を表明しました。Appleの経営は、内部昇格による継続性を確保しつつ、製品とサービスの両輪での進化を見据えた体制に移ります。
詳しくは「Apple」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















