2026年度入社の新入社員3,849人を対象に、2026年3月24日から5月6日に実施された意識調査で、入社直後の感情と働く価値観の現在地が明らかになりました。入社式後の気持ちは不安が30.8%で最多、次いで緊張が22.7%、期待が15.6%でした。不安は4年連続で最上位となり、緊張も4年間で最大の割合に達しています。背景には、学生期に体験したコロナ禍やAIの普及など大きな環境変化があり、対面機会の減少や学習スタイルの変容が影響したとされています。新入社員は不確実性を前提に、現実的な構えで社会に踏み出していることがうかがえます。こうした心情を踏まえると、配属初期に役割期待や評価基準を明確化し、迷いの要因を早期に取り除く運用が重要になります。到達目標の見える化と初月の伴走面談で不安項目を特定し、支援策と結びつける設計が有効です。
不安の中心は仕事の難易度が6割超 4年連続で首位
現時点で不安に感じることは、仕事についていけるかが60.6%で最大でした。次いで生活リズムや社会人としての考え方の習得が48.5%、社会人の基礎的なマナーの習得が39.3%となりました。過去3年間との比較でも、仕事の難易度への不安が4年連続で首位を維持しています。新入社員は求められる水準と自分のスキルのギャップを強く意識している実態が示されました。実務では、業務の段階設計とスキル要件の事前提示が効果的です。タスク分解や評価基準の共有により、つまずきやすい箇所を早期に発見できます。マナーや基礎力は短期集中の学習機会を設計し、職場内のOJTと接続することで定着を後押しできます。
やりたい仕事はやりがいが突出 成長志向は過去最低水準に
今後やりたい仕事では、楽しくてやりがいのある仕事が66.8%で突出しました。2019年度以降、同項目は8年連続でトップを維持し、全体的には横ばい傾向です。一方で、自身の成長につながる仕事、人脈が広げられる仕事、成果次第で給与が上がる仕事はいずれも減少傾向です。特に自身の成長につながる仕事は2020年度の57.7%から20.1ポイント低下し、過去最低となりました。配置やアサインでは、やりがいの定義を具体化し、日々の業務にどう結びつくかを明確に伝えることが鍵です。短いサイクルで成果実感を得られるタスク設計と定期的な振り返りが効果を生みます。
成し遂げたいことは安定が首位 成長は10年で過去最低に
仕事を通して成し遂げたいことは、安定した生活を送りたいが63.7%で1位となりました。2019年度から増加が続きましたが、今年度は昨年度より1.9ポイント低下しています。2位の自分を成長させたいは46.9%で、2020年度の64.1%を境に減少が続き、10年間で過去最低の割合となりました。3位は家族に恩返しをしたいが43.7%、4位は社会に貢献したいが28.7%で、後者は2020年度に急伸後、30%前後を維持しています。安定志向とやりがい重視が併走し、成長の相対的な優先度が下がる構図が読み取れます。報酬や処遇、キャリアの見通しを具体的に提示し、不安の源を丁寧に解消する取り組みが効果的です。
労働時間と時間配分の価値観 プライベート優先が過去最大
今後3年間の労働時間では、定時に帰りたいが43.3%で最多でしたが、2024年度の48.4%をピークに減少傾向です。週に2〜3回の残業までは2024年度から増加し、4割に達しました。20代の時間の使い方では、仕事とプライベート優先が27.9%でトップとなり、プライベート優先は2014年度以降の増加傾向が続き、過去最大の19.1%となりました。一方で、仕事とプライベートと自己投資をバランス良くは17.3%で過去最少です。時間配分の選好は実利的にシフトしており、繁忙の山谷を見える化したうえで事前合意を図る運用が求められます。
断れないが約7割 抱え込み防止の運用設計が必要
頼まれごとに対する対人行動では、断れないが24.6%、しばしば断れないが49.5%で、いずれも2023年度から高止まりしています。役割や業務量が不明確な環境では抱え込みのリスクが高まります。依頼の背景や目的、締切と品質基準を明確化し、優先順位と受付のルールを整えることで、個人の断りづらさに依存しない運用が可能です。進捗の可視化ツールを活用し、上司が定期面談で負荷分散を行う仕組みを持つことが、心理的安全性と生産性の両立につながります。
詳しくは「ALL DIFFERENT株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部 權





















