中国の成都で2026年7月23日にAPECデジタルAI大臣会合が開催され、日本からは総務省の今川総務審議官が出席しました。APEC参加国・地域が情報通信分野の政策課題を協議し、成果として閣僚声明が採択されました。議長国の中国は三つのテーマを提示し、開発のためのデジタル及びAI技術の強化、普遍的かつ有意義なデジタルコネクティビティの促進、デジタルインクルージョンとデジタルスキル向上の支援を柱に議論が進みました。会合は前年の韓国に続く開催であり、地域の継続的な連携が確認されました。声明はアジア太平洋コミュニティのエンパワーメントに向けたデジタル技術とAIを掲げています。次回は2027年にベトナムでの開催が予定されています。
安心で信頼できるAIとデータ流通の推進
今川総務審議官は、安心で安全かつ信頼できるAIの実現に向け、ルール形成の重要性を強調しました。日本が主導する広島AIプロセスに基づき、生成AI開発における透明性と説明責任を促進する取組を紹介し、理念と取組がG7やOECD加盟国を越えて広く共有されることの重要性を訴えました。さらに、プライバシーやセキュリティに関する懸念の払拭を通じて、信頼性のある自由なデータ流通を推進することが重要であると発信しました。声明では、データ侵害やオンライン詐欺などのリスク認識を示し、参加エコノミー間の協力とベストプラクティス共有を通じた安全で強靭なデジタル環境の構築を目標としています。政府や民間、学界など関係者の自発的な関与が奨励されています。AIを含むデジタル技術の安全な利用と説明責任の強化が求められています。
コネクティビティ強化とインクルージョン 教育と投資も拡充
普遍的かつ有意義なコネクティビティに向け、競争政策と不採算地域への財政支援の組み合わせの重要性が強調されました。AIの利用拡大に対応し、災害に強く安全で持続可能なデジタルインフラの確保と、APEC参加国・地域を含む国際連携の重要性が発信されています。声明は、手頃でアクセス可能かつ強靭な通信インフラ構築を促し、周波数や衛星軌道資源の効率的利用に向けた協力を奨励しています。農村や遠隔地を含むすべての人のデジタルアクセス向上やラストマイル接続の強化にも焦点が当てられています。併せて、デジタルリテラシーとAIリテラシーの向上に向け、教育や職業訓練、公共教育プログラムを通じた能力構築が促されています。デジタル及びAI変革を進めるため、投資家やベンチャーの関与拡大、オープンソースへの支援とコミュニティとの協力も呼びかけられています。
経済成長への活用と中小零細企業支援 バイ会談で政策対話
声明は、製造業や農業、サービス業におけるデジタル及びAIの責任ある導入を加速し、関連する政策やベストプラクティスの共有を通じた協力を奨励しています。中小零細企業の競争力向上に向け、手頃で導入が容易なデジタル製品やソリューションの提供、イノベーションや起業環境の整備を後押しする姿勢が示されています。公共サービスの改善や人間中心で地域の実情に合わせたAIの活用にも言及されました。会合に合わせ、今川総務審議官はベトナムの科学技術大臣、米国の関係当局者、インドネシアのデジタル政府テクノロジー総局長とバイ会談を実施し、政策課題に関する対話を深めました。APEC参加国・地域の多様なアプローチを尊重しつつ、地域全体のエンパワーメントと協力体制の強化が確認されました。成都宣言は、デジタル経済拡大に向けた前向きな進展を共有し、継続的な連携を促しています。
詳しくは「総務省」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















