急病やけがで情報伝達が難しい場面で、救急隊員がマイナ保険証を用いて受診歴や薬剤情報を確認し、搬送先選定や処置に生かす取り組みが拡大しています。意識不明や家族の動揺で情報が得られない場合でも、専用端末で医療情報を確認し、救急車内での判断と連携を円滑にします。令和7年度には全国の消防本部と救急隊で実証が行われ、令和8年度からは712消防本部と5,417隊で本格実施されています。スマートフォン搭載のマイナ保険証も令和8年4月から対応しましたが、本人の生体認証や暗証番号が必要なため、意識不明時に使えない点が整理されています。カードのマイナ保険証があれば本人確認は顔写真照合で足り、暗証番号は原則不要とされています。搬送前に医療機関へ情報を伝達でき、受け入れ準備の前倒しにつながることが示されています。
マイナ救急の具体的な流れと得られる効果
119番通報時に指令員がマイナ保険証の準備を依頼し、現場で救急隊員が情報閲覧に同意を確認します。意識不明で同意が難しい場合は、生命や身体の保護が必要と判断されれば同意なしで閲覧されることがあります。カードリーダーで読み取り、過去の受診歴や薬剤情報などを確認し、搬送先選定や処置に活用します。これにより、傷病者や家族の説明負担が軽減され、救急隊は正確な情報に基づく対応が可能になります。実証では、家族が動転し情報収集が困難でも病歴把握に役立った、会話困難でも負担なく情報確認ができたとする現場の報告があります。参照可能な主な情報には、過去5年分の受診歴や薬剤情報、手術情報、診療情報、5回分の特定健診、100日分の電子処方箋情報が含まれます。情報は端末に保存されず、閲覧履歴はマイナポータルで確認できます。
利用準備と実際に命を救った事例
利用にはマイナンバーカードの取得と、健康保険証としての利用登録が必須です。外出時にカードを携帯することで、意識不明時でも活用できます。事例として、勤務先で心肺停止となった60代男性は、受診歴と薬剤情報を基に早期の緊急手術につながり社会復帰しています。意識もうろうの70代男性では、薬剤情報から消化管出血による貧血が疑われ、緊急内視鏡と輸血が可能な医療機関へ搬送されました。吐血した50代男性では、手術歴から食道静脈瘤の既往を推測し、搬送先での早期治療開始につながりました。外出先で意識障害の60代男性は、既往の糖尿病が判明し、搬送中にブドウ糖投与で意識レベルが回復しました。急変時の備えとして、登録の早期実施とカード携帯が推奨されます。
詳しくは「内閣府政府広報室」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















