AIによって人の仕事はなくなるのでしょうか。OpenAIが2026年9月16日に発表したEconomic Researchからは、別の変化が見えてきました。AIを使うことで、従来は自分の職種の範囲外だった仕事にも取り組み、その一部を継続して行う人が出てきています。職種そのものが変わる前に、「その職種で何をするのか」が変化していく可能性があります。
150万件超のChatGPT利用から「職種を越える仕事」を分析
OpenAIは、2026年4月から7月までの仕事に関連する150万件超のChatGPTメッセージを分析しました。研究で注目したのが、従来は別の職種と関連付けられてきた業務にAIを使う「task crossover(タスクの越境)」です。
そのうち、4月から7月まで継続的に観察できた約6,200人を分析したところ、過去にもAIで取り組んだことのある職種外タスクが、職種に関連するAI利用に占める割合は、4月の13.1%から7月には25.9%まで増加しました。OpenAIは、一度試して終わるだけではなく、一部の職種外タスクが継続的な仕事の流れに組み込まれている可能性を指摘しています。
職種外の仕事、翌月も続けた割合は平均18.5%
では、AIを使って一度経験した職種外の仕事は、その後も続くのでしょうか。OpenAIが翌月の利用状況を調べたところ、職種外タスク全体の平均継続率は18.5%でした。業務によって差があり、「顧客と商品・サービスについて話す」は54%、「広告・販促向けの文章作成」は44%、「マーケティング資料の作成」は37%が翌月も継続。一方、財務情報を説明するタスクは約15%でした。すべての職種外タスクが定着するわけではありませんが、一部ではAIをきっかけに始めた仕事が継続していることが分かります。
AIで「別分野の専門性を借りる」使い方も
職種外の仕事では、AIへの頼み方にも違いが見られました。自分の職種内の仕事と比較すると、職種外のタスクでは平均的にプロンプトが短く、説明や手順などを求める割合が低くなりました。一方で、背景情報や事例をAIに与えたり、内容の確認や検証を依頼したりする傾向は強くなっています。
OpenAIは、この結果について、AIから新しい専門分野を一から学ぶというより、AIを通じて別分野の「専門性を借りる」ような使い方をしている可能性があると解釈しています。
「仕事がなくなるか」だけではなく「何をする仕事か」が変わる
今回の研究は、AIによって雇用が増えるのか、減るのかを直接検証したものではありません。一方で見えてきたのは、AIによって職種の境界を越えた仕事に取り組む人がいることです。それが継続的な業務になれば、肩書きは変わらなくても、その人が担当する仕事の範囲は広がっていく可能性があります。AIによる仕事への影響を考えるとき、「この職業はAIに代替されるのか」だけではなく、「AIによって、この職業でできることはどう変わるのか」という視点も重要になりそうです。
詳しくは【OpenAI「How workers are unlocking new ways of working」】をご覧ください。/DXマガジン編集部





















