三菱UFJ信託銀行株式会社は、人事と年金の最新動向をまとめた「三菱UFJトータルリワードレポート9月号」を公表しました。本号では、確定拠出年金制度に関する有識者懇談会の開催状況や論点、同一労働同一賃金ガイドライン改正の適用スケジュールと退職手当の位置付け、経営戦略と人材戦略の連動、定年延長に伴う退職給付制度の検討方法を取り上げています。有識者懇談会は2026年4月に第1回、6月に第2回、7月に第3回が実施され、資産形成の支援を目的に、手続きの簡素化やオンライン化、規約変更の簡素化、商品の除外手続き要件の緩和、自動移換問題への対応などの課題が整理されました。課題は短期と中長期に区分され、今後、個別テーマごとに検討が進むとしています。制度運用の見直しに向けて、運用商品や移換手続きの説明体制を点検し、業務フローやシステムの準備状況を確認することが実務対応として有効です。
同一労働同一賃金ガイドラインは2026年4月に改正され、同年10月から適用されます。改正は裁判例を踏まえた見直しと趣旨の明確化が柱で、退職手当には項目が新設されました。最高裁判決を踏まえ、職務の内容等を勘案して待遇差が不合理とされる場合があると明記され、基本的な考え方が大きく変わるわけではないと整理されています。適用開始に備え、職務内容や責任範囲に照らした退職手当の設計根拠を文書化し、社内規程や説明資料を整備することが重要です。人事評価や等級制度との整合性を確認し、相違がある場合は見直し計画を定めることが運用上のリスク低減につながります。周知や問い合わせ対応の体制もあわせて準備しておくことが望まれます。
経営戦略と人材戦略の連動では、事業ポートフォリオと人材ポートフォリオのつながりを重視し、事業側の定量的ギャップから変革後の人材ポートフォリオを定量で導く点が示されています。人材ポートフォリオは採用人数や研修受講者数などのKPIに接続され、結節的な役割を担います。人的資本可視化指針の改訂や有価証券報告書での人的資本情報の拡充も進むなか、定量KPIで補完したストーリーとしての開示が不可欠です。定年延長の検討では、人事制度上の期待役割や働き方を反映した退職給付制度の設計コンセプトが重要で、給付額を現行定年以降に積み上げるか否かなど複数の設計パターンが想定されます。人事制度上と退職給付制度上の定年延長は検討期間や手続きが異なるため、変更スケジュールの調整が必要です。退職給付制度の変更は退職給付会計に影響するため、会計士や監査法人との協議を前提に、社内規程の改定と従業員への説明計画を用意することが求められます。
詳しくは「三菱UFJ信託銀行株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















