2025年度の玩具店市場は事業者売上高ベースで前年度比8.6%増の7620億円となり、2015年度以降で最高を更新しました。2020年度の4254億円から約1.8倍に拡大し、市場は力強さを取り戻しています。一方で拡大をけん引したのはカプセルトイとトレーディングカードの専門店で、品ぞろえ中心の従来型おもちゃ店は伸び悩みが目立ちます。指数では2020年度を100とした場合、2025年度はガチャ専門店が385、トレカ専門店が307と急伸し、おもちゃ店は151にとどまりました。市場増加分602億円のうち7割超をガチャ・トレカ専門店が占め、両業態の市場シェアは2015年度の9.9%から27.5%へ拡大しています。これにより玩具店市場の4分の1超を担う存在へと台頭しています。
従来型店の苦戦には、ネット通販や他業態との競合が大きく影響しています。大手家電量販店やベビー・キッズ用品店の台頭で来店機会が減り、メーカー直販の拡大で売れ筋の入荷も難しくなりました。ゲームソフトはダウンロード販売の普及で需要が減り、店頭来店の動機が弱まっています。さらに需要の主軸が大人向けのキダルトへ移行しており、ガチャは子ども中心から10~30代女性など購買力のある層へ広がりました。400~500円の精巧なフィギュアや雑貨、人気キャラクターのコラボが売れ筋で、指名買いや体験を重視する消費は棚で選ぶ従来型店舗と相性がよくありません。こうした環境下で、日本トイザらスが民事再生法の適用を申請し、おもちゃ量販店としては過去最大の倒産となりました。
大手は郊外型の大型店舗から都市型小型店への転換や、ベビー関連用品や知育玩具、キダルト向け強化、ECへの注力を進めてきました。しかし米大手ECや家電量販店との品ぞろえや価格競争が激しく、子ども向け需要の落ち込みを補い切れなかったことが浮き彫りとなりました。市場は明確に選択と集中が進んでおり、特定キャラクターを狙う行動やガチャを回す体験といった消費行動が成長を支えています。広い売り場に何でもそろう強みは薄れ、「何でもある店」から「行く理由のある店」への転換が求められる局面です。実務面では、体験の設計と指名買いの受け皿づくり、在庫の集中と回転率の可視化、専門性の明確化が重要になります。成果指標の設計にあたっては、専門カテゴリーごとの来店目的比率や体験関連売上など行動指標の導入が有効です。
詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















