フーリハン・ローキー株式会社は、建設、物流、人材派遣の各業界を対象に2026年度第1四半期の業績とM&A動向を整理したレポートを公表しました。少子高齢化に伴う人手不足が深刻化し、各業界で事業基盤強化や専門性獲得を目的とした再編が本格化しています。マネージングディレクターの加藤良輔氏は、人材不足の深刻化を受け、事業会社の戦略的買収に加えPEファンドの投資が活発化しており、再編を後押ししているとコメントしています。調査は国内主要企業の決算報告を基に実施され、業績トレンド、株価やバリュエーション、M&Aの特徴的な動きを取りまとめています。公表日は2026年10月6日で、発信主体はフーリハン・ローキー株式会社です。エッセンシャルワーカー関連業界におけるM&Aの重要性が一段と高まっていることが示されています。
建設業界 底堅い需要で業績堅調 人手不足を背景にスーパーゼネコンの買収も相次ぐ
建設業界はデータセンターや半導体関連投資、再開発の底堅い需要に支えられ、1四半期時点で前年同期比の増収増益となる企業が多数となりました。一方で中東情勢や金利上昇への懸念から、株価やマルチプルは2026年初のピークと比べ落ち着いています。M&Aは人手不足等を背景に件数と金額が増加傾向にあり、2026年はスーパーゼネコンによる買収が相次いでいます。これにより人材確保や専門領域の強化を狙う動きが広がっています。取引の可視化とPMIの早期着手が効果的とされ、技能移転や受注体制の強化を目的とした統合計画が要となります。関連プレイヤーは需要の底堅さを活用し、バリュエーションの落ち着きを踏まえた機動的な意思決定が求められます。
物流業界 価格改定と効率化で増収増益 大型再編や中小の大手傘下入りが進行
物流業界は価格改定や輸送効率化の進展に加え、中東情勢に伴う運賃上昇が寄与し、増収増益基調が継続しています。特にトラックセクターは価格改定、在庫確保の前倒し出荷、原油価格高騰を背景とした大手へのスイッチにより物量が増加し、好調が続きます。26年度はコスト増が利益を圧迫するものの、上期の好調を受け増収増益が見込まれ、上方修正も公表されています。株価は上昇傾向ながら、多くはTOPIXを下回り、バリュエーションは前年比ほぼ横ばいで、倉庫と外航海運を除くEV/EBITDA倍率は7から8倍に収れんしています。M&Aではドライバー不足やコスト増を背景に中小物流企業の大手傘下入りが継続し、日本郵船によるNSユナイテッド海運の非公開化やFedexの組織再編など大型再編も見られます。統合効果の早期実現に向け、拠点再配置や車両稼働の見える化など運営改善の同時進行が有効とされます。
人材派遣業界 契約単価上昇で増収増益 専門領域強化のM&AとPE投資が継続
人材派遣業界は稼働人数と契約単価の上昇により、増収増益基調が続いています。各種コスト増は共通の課題ですが、単価上昇による粗利改善やコスト削減で大幅増益となった企業も確認されています。通期見込みでも増収増益が見込まれ、特に建設セクターの人手不足を背景に建設派遣企業の成長が顕著です。株価は2026年以降下降傾向にあったものの、2025年度通期決算の好調を受け直近3か月は回復傾向にあり、製造、事務・営業、建設派遣が急騰しました。前年比でみると株価はほぼ横ばいで、バリュエーションの大きな変化はなく、高バリュエーションは平常化しています。M&Aは特定分野強化を目的とした取引や、PE投資先企業による選択と集中を企図した動きが続いており、人手不足を背景に需要は継続が見込まれます。取引の実行では、専門領域の明確化と人材定着策の設計が重要とされています。
詳しくは「フーリハン・ローキー株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















