メルカリがNotionのエンタープライズプランを全社導入し、2,000名超の情報基盤を一本化しました。100名規模のAI Task Forceと連携し、AIを前提に業務や意思決定を再設計する「AINative」化を本格化します。
メルカリは「Back to Startup」に続き、2025年度のテーマを「AINative」と定めました。これに応える形で、同社はNotionのエンタープライズプランを全社採用し、社員と連携パートナーを含め2,000名超の規模で運用を開始しています。導入の中核にはCKM(Central Knowledge Management)コミッティーと、部門横断で編成された100名規模のAI Task Forceが位置づけられ、単なるツール導入ではなく業務フローのゼロベース再設計を目指しています。Notionの多言語対応や検索精度、AI内蔵のUI/UXが評価され、ナレッジの「見える化」と横断検索による情報アクセス性向上が期待されます。
Notion導入で期待される役割は三つあります。第一に、分散していた情報を一つにまとめる中核基盤としての役割です。社内のドキュメントやプロジェクト管理、会議資料などをNotionに集約し、AIによる横断検索で情報格差を解消することで意思決定の速度と質を高めます。第二に、Notion AIを活用した議事録や進捗レポートの自動生成、テンプレート運用によってドキュメント作成の標化と工数削減を図ります。社内ではAIミーティングノートが議事録作成コストやタスクの抜け漏れを抑える効果で高評価を得ており、SlackやGoogle Workspaceを含む横断検索の精度も導入判断の重要因子でした。第三に、AIエージェントが情報を参照する基盤として、Notionを「AIが読み書きするナレッジベース」に育てることです。
運用面ではセキュリティ要件も重要視されました。メルカリはマーケットプレイスやフィンテックなど個人情報を多数扱う事業を抱えており、エンタープライズプランが同社の厳格なセキュリティ基準を満たす点も採用理由の一つです。また、AIを前提にした組織設計や評価制度の変革、全社員のAIリテラシー向上も並行して進められます。執行役員 CTOの木村俊也氏は、Notionを全社共通のナレッジ基盤としてValueを体現する場にすると述べ、Notion側の西勝清氏もメルカリの挑戦が他社にとっても示唆的だとコメントしています。メルカリはこの基盤を通じて、AI時代に相応しい顧客体験と働き方を追求し続ける方針です。
Notion導入は単なるツール統合ではなく、情報基盤を起点とした組織変革の明確な一手です。今後は運用ルールとAIリテラシー育成が成否を分けるカギとなるでしょう。
詳しくは「Notion Labs Japan合同会社」の公式ページまで。
レポート/マガジン編集部






















