2024年10月のリシードによる調査で、東京都の私立中高が有線LAN・Wi-Fi両方で優れた速度を達成。地域による接続差や教育現場のデジタル化について詳しく解説します。
リシードが提供する「学校インターネット回線速度計測」サービスは、全国の教育機関に向けて無料で利用可能なツールです。このサービスは、学校のインターネット接続速度を測定し、その結果をランキングとして公開することを目的としています。2024年10月1日から10月31日までの計測ログを基にしたランキングでは、東京都の私立学校が素晴らしい結果を収めました。特に、有線LAN接続において東京都の私立中学校が801Mbpsという驚異的なダウンロード速度を記録し、アップロード速度も572Mbpsを達成しました。
また、Wi-Fi接続の速度でも東京都の私立高等学校が524Mbpsでトップとなり、教育機関におけるインターネット環境の質の重要性が浮き彫りとなりました。インターネット接続の速度は、教育現場においてますます重要な要素となっています。特にデジタルツールとオンライン学習が増えている現代、教育機関は生徒にとってアクセスしやすい適切な速度のインターネットを提供する必要があります。
今回の調査結果からも分かるように、東京都の私立学校はこの点において他の地域をリードしています。特に、有線LAN接続の速度が際立っており、これは学校の教育活動に大きな影響を与えています。さらに、Wi-Fi接続のランキングでも注目すべきデータが浮かび上がります。1位の東京都私立高等学校に続き、岐阜県の公立中学校が354Mbpsを記録して2位、滋賀県の公立小学校が292Mbpsで3位にランクインしています。このように、地域間での接続速度の差は明らかであり、教育機関間でもICT環境の整備が進んでいることが示されました。
ただし、依然として地域差は存在し、これにより教育の質にも影響を及ぼす可能性があります。文部科学省の調査によると、情報化の進展に伴い、インターネット接続状況やICT機器の整備状況に前年度よりも改善が見られたとはいえ、地域による接続差が依然として存在しています。特に都市部においては整備が進んでいる一方、地方では課題が残る状況です。このため、今後も各教育機関はネットワーク環境の整備に力を入れ、すべての生徒に平等な教育の機会を提供する努力が求められます。結局のところ、インターネット速度は教育に不可欠な基盤です。
リシードが発表したインターネット回線速度計測ランキングは、今後の教育ICT政策や施策に重要な示唆を与えるものとして注目されるでしょう。東京都の私立学校が示した良好な結果は、他地域の教育機関におけるICT環境改善のモデルとなる可能性があります。持続可能な教育のためには、各地域でのさらなる取り組みと改善が期待されます。
レポート/DXマガジン編集部海道