オフィスビルのエレベーターを待つ数十秒間、あなたは何をしていますか。実は、その何気ない移動空間が、ユーチューブを圧倒する驚異の広告メディアに変貌しています。三菱地所グループが明かしたデータから、買い物の直前に仕掛けられる最新のマーケティング戦略と、オフィスに潜む驚きの購買行動に迫ります。
毎日エレベーターに乗るワーカーの約8割がコンビニの常連という高密度
三菱地所グループのGRAND株式会社は、オフィスビルメディアに関する最新の調査結果を公表しました。東京都心や関西、名古屋へと設置拡大を進めているエレベーター内のデジタルサイネージは、単なる移動空間をビジネスパーソン向けのマスメディアへと転換させています。調査によると、このメディアを目にするオフィスワーカーの実に77.4%が週に1日以上コンビニエンスストアを利用する常連層であることが判明しました。なかでも、ほぼ毎日利用する層は12.4%と一般層の2.8倍に達しています。さらに、週4日以上利用する層は31.1%と一般層の2.9倍の密度を誇ります。ワーカーは出社日に1日平均5.4回エレベーターを利用します。そのため、月20日の出社換算で約108回も同じ広告に反復接触することになります。この高い接触頻度が、購買直前のラストマイルにおいて商品の記憶を呼び起こす強力な動線となっています。
このエレベーター内広告は、他媒体と比較して圧倒的な視聴クオリティの高さを示しています。エレベーターを待つ時間に能動的にサイネージを視聴する率は38.9%と一般の3.1倍を記録しました。さらに、媒体別の比較において広告記憶率は46.0%に達しています。広告集中度も42.0%となり、タクシー車内や電車内ビジョン、テレビシーエム、ユーチューブ動画などの主要メディアを抑えて最上位水準となりました。これは、ワーカーがリラックスした心理状態で集中して画面を見ているためです。また、視聴者の45.4%が健康維持にお金を惜しまないと答えています。31.4%がほぼ毎日飲酒すると回答しました。機能性飲料やノンアルコール、プロテイン、ビールといったコンビニで衝動買いされやすい高付加価値商品のターゲット層と見事に合致しています。出社や昼休憩などの時間帯に合わせて配信内容を変えることで、買いたい瞬間の第一想起を最大化できる仕組みです。
実際の食品や飲料における13のブランドリフト実証事例では、驚異的なマーケティング効果が実証されています。広告に接触した視聴者の認知率は平均78.3%を記録しました。これは非接触群の約1.6倍にあたる数値です。さらに、接触した人のうち85.7%が実際に商品を購入したり、ウェブサイトを訪問したりするなどの能動的な行動を起こしたことが確認されています。特定の個人を狙い撃つ仕組みではありません。しかし、高頻度購買層が最初から高密度に含まれる母集団へアプローチすることで、選ばれる確率を劇的に高めています。同社は今後もデータと実証事例を提供しながら、企業のマーケティング活動を支援していく方針です。
見解として、動画スキップや情報過多の時代において、エレベーターという手持ち無沙汰な空間をデータ駆動型の高純度メディアに変えた秀逸な事例です。 購買直前の常連層へ月108回アプローチし、店頭での第一想起を確率論的に支配する仕組みは、食品や飲料メーカーの流通防衛における強力な武器となります。
詳しくは「GRAND株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















