魚卵を一切使わずに、明太子を作る。老舗明太子メーカーのやまやが、約5年をかけて開発した「だいたい明太」を展示会で初公開した。塩分は通常品の約半分、コレステロールもゼロだという。あの粒感とうま味は、いったいどう再現されたのか。
明太子メーカーが選んだ「魚卵を使わない」という道
辛子明太子で知られるやまやコミュニケーションズが、業務用の代替明太子「だいたい明太」を、2026年8月19日から東京ビッグサイトで開催されている「第28回 ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」で初公開した。会期は8月21日までで、会場で実際に披露されている。
開発期間は約5年。魚卵そのものを使わず、やまやらしい味わいと明太子らしい粒感の再現を追求したという。背景には健康志向への対応だけでなく、魚卵を取り巻く環境変化や価格高騰があると、やまやは説明している。
「代替ながら本物の明太子らしいおいしさを再現すること」に最も注力したといい、食感やうま味が物足りない“明太子風商品”とは一線を画す仕上がりを目指した。
代替卵は他社と共同開発、味の決め手は明太子メーカーの技術
「だいたい明太」の代替卵は、他社メーカーと共同で開発したもの。明太子らしい粒感を追求した代替卵に、やまやが創業以来培ってきた独自の調味技術を掛け合わせて仕上げている。
調味液には魚卵由来エキスを使用しており、香りや旨みの再現に活かされている。結果として、コレステロールフリーを実現しながら、塩分は通常商品の約半分に抑えられた。
内容量は500gの業務用商品で、想定価格は1kg当たり1,200〜1,300円。塩分量の観点からこれまで明太子の採用が難しかった病院給食や高齢者向け宅配給食、外食・中食など幅広い用途での展開が想定されている。
「魚卵ゼロの明太子」がテーブルに並ぶ日
病院食で明太子が出てくることは、これまでほとんどなかったはずだ。塩分制限のある食事にも並べられる明太子というのは、これまでの“ごちそう感”とは違う新しい立ち位置になりそうだ。
会場では実物を見て、粒感や色味を確かめられる。明太子好きとしては、まず「本当に魚卵を使っていないと分からないのか」を自分の舌で確かめてみたいところだ。
明太子メーカー自らが「魚卵を使わない明太子」を作るというのは、正直かなり大胆な決断だったのではないか。約5年という開発期間の長さからも、簡単な道のりではなかったことがうかがえる。























