香川県高松市で開催された「共創PFキャンプ」では、地方公共団体におけるAI実装の具体策が議論され、善通寺市と下呂市の先行事例が紹介されました。 四国地方を中心に14団体23人が参加し、先進事例の共有だけでなく、阻害要因の洗い出しと対応策の具体化まで踏み込みました。 会場では、日頃の課題を率直に持ち寄り、他団体の学びを自団体へ持ち帰る設計が取られました。 AIを前提にした業務の見直し、職員の成功体験づくり、トップの発信と現場の実行力を接続する体制づくりの重要性が繰り返し語られた点が特徴です。 小さな成功を積み上げて評価と横展開につなげる実装プロセスが、具体的な運用像として共有されました。 国と地方の対話基盤である共創プラットフォームは継続開催が案内され、情報共有の場として期待が高まっています。
善通寺市 固定資産税の現況把握を衛星画像と生成AIで効率化
香川県善通寺市税務課は、固定資産税の現況把握に衛星写真と生成AIを組み合わせ、土地や家屋の変化を自動抽出する内製プロトタイプを構築しました。市域は39.93平方キロメートル、土地約7万3,000筆、家屋約2万7,000棟という規模に対し、固定資産税係の職員数は2023年6人、2024年5人、2025年4人と減少している状況です。従来は巡回や航空写真の比較、住宅地図の更新取得に時間と費用がかかっていましたが、衛星画像の高解像度化と対話的コーディングの発展により、低コストでの差分抽出と判断結果出力が可能になったと説明されています。2024年度はQGIS、Python、Excel VBAを用い、ChatGPTのAPIを呼び出す構成で自作し、必要コードは約20ページ、API料金以外は無料ツールを活用、委託料は約120万円で開発しました。現地確認が必要な場所の絞り込みや正確な現況把握の効率化が期待されています。過去画像比較と現地調査の往復で検証を重ね、産官学の協働体制で精度向上を図る方針も示されました。
下呂市 全庁実装に向けた「三つの柱」で成果を可視化
岐阜県下呂市は、AI機能付きのGoogleワークスペース活用により、会議準備から議事録共有までの作業時間を9時間から約50分に短縮したと報告しました。全庁展開を見据え、「人材と文化」「推進体制」「評価と横展開」の三つの柱を掲げて運用しています。人材と文化では、生成AIを使った「ごみの分け方・出し方ガイド」を短時間で作成した事例を示し、小さな成功体験の積み重ねを重視しています。推進体制はトップの発信と現場の実行力を両輪に据え、失敗を許容するアジャイルな文化づくりを指向しています。評価と横展開では使用回数ではなく生産性向上や業務改革を指標とし、成功職員が他部署へ展開する流れを設計しました。まず課題を特定し、小さな企画で実践と検証を行い、伴走型の育成で横展開するプロセスが整理されています。職員一人ひとりが生成AIで成功体験を得ることの重要性が強調されました。
課題の洗い出しと対応策の具体化 継続的な改善サイクルを形成
ワークショップでは、AI実装を阻む課題として「人材不足」「組織文化」「団体や組織の壁」が提示されました。人材面では、メリットを説明できる人材や連携役の不在、業務多忙が障害として挙がりました。組織文化では、事例不足や共有の場の欠如、AIへの忌避感、前例踏襲、管理職の意識が課題とされました。団体間の壁では、理解度や情報の格差、業務フローの違い、ネットワークやセキュリティ環境の差が指摘されています。対応策として、庁内で気軽に話せる場の設置、成功と失敗の双方の共有、類似規模団体の事例参照、地域性データの活用、管理職の実体験による認識合わせ、着手しやすい部署からの開始、若手の成功体験の横展開が挙げられました。課題抽出から実践、検証、学習、横展開へつなぐサイクルを構築する狙いが示され、継続的な改善が期待されます。共創プラットフォームは引き続き参加者を募り、国と地方の垣根を越えた相談と情報共有を進めるとしています。
共創PFキャンプin四国~自治体のAI事例を他でも利用するには?編~を開催しました(デジタル庁)https://www.digital.go.jp/news/7ebc54d1-2ee0-4fe2-a4c5-d597ca2a926dをもとに作成






















