財務省が公表した1月の国際収支統計で、旅行収支の黒字は5901億円と前年同月比10.4%減となり、8カ月連続の前年比マイナスとなりました。旅行収支は訪日客の日本での支払額から日本人の海外支払額を差し引いて算出され、近年は黒字が定着しています。今回は日本人の海外支払いが増えたことが黒字幅縮小の主因で、出国者数の増加に円安による円ベースの負担増が重なりました。訪日客の支出が堅調でも、日本人側の支払い膨張が全体の黒字を圧縮した形です。
1月の訪日動向は、中国政府の日本への渡航自粛要請の影響で中国人客が落ち込み、訪日客総数は前年同月比4.9%減と4年ぶりの前年割れでした。一方で訪日客の日本での支払額は8194億円と微増しました。訪日消費は底堅さを見せたものの、差し引きでは日本人の海外支払いが拡大しました。1月の出国者数は17.6%増となり、日本人の海外での支払額は2293億円と51.7%増でした。海外旅行の復調が進むなか、円安が支払い額を押し上げています。
2025年の出国者数は1473万人で、コロナ禍前の2019年の約7割に回復しました。旅行収支での日本人の支払額は2025年に2.9兆円と2019年を3割近く上回り、人数以上に支払いが増える構図が続いています。旅行収支を含む1月のサービス収支は7153億円の赤字で、前年に比べ2165億円赤字幅が拡大しました。旅行収支の黒字縮小に加え、医薬品メーカーの特許権取得や研究開発費の増加が影響しました。一方、経常収支は9416億円の黒字で、前年同月の3446億円の赤字から黒字に転じました。春節時期のずれなどで貿易収支の赤字幅が縮小したことが寄与しています。
レポート/DXマガジン編集部 權






















