事業の申請準備が散在しがちな時代に、ひとつに集約する動きが始まります。2026年3月にアルファ版が予定されるGビズポータルは、行政手続を探し、準備し、関係者と共有する流れをまとめて支援します。横断検索、電子ロッカー、手続ジャーニーという中核機能が、どこまで煩雑さを解消できるのかが焦点です。
横断検索と電子ロッカーで申請準備を前に進める
Gビズポータルは、事業者が行政手続の情報取得や申請準備を円滑に進められるよう設計されたポータルです。導入時点から各省庁の行政手続や補助金情報を横断して検索でき、検索対象は26府省にわたる2万4000の手続情報です。生成AIを活用し、各省が持つ資料等へのタグ付けを行いながら検索結果を補完する設計とされています。画面では生成AIによる情報表示を切り替えるスイッチが用意され、補助金や行政手続のタブから対象を切り替えて探すことができます。検索例としてはIT導入補助金やものづくり導入補助金の名称と概要が結果として並ぶイメージが示されています。
申請準備の核となるのが電子ロッカー機能です。事業者、士業者、行政機関の間で、申請に必要な書類ファイルをオンラインで共有できます。ファイル共有はGビズIDで指定、メールアドレスで指定、URLとパスワードを伝えて共有の3方式が提供予定で、チャットによるやり取りも画面上で完結できます。画面例にはフォルダ作成やファイルアップロードの操作に加え、チャットを開くボタン、ファイル名や更新者、署名情報の表示項目が並び、手続に紐づくやり取りの履歴が確認できる構成が示されています。この取り組みにより手続の電子申請率向上と、手続システムの費用対効果の改善、さらに行政側の負担軽減が期待されています。
もう一つの柱が手続ジャーニーです。行政手続の一連の流れを、用途やシーンに合わせて順番に案内します。例えば会社を設立したい、飲食店を開業したいといった目的に応じて、必要な手続の道筋を提示します。画面例では、IT業界での経験を持ちSaaS提供を目指す人物像を前提に、最初のステップとして事業計画の策定や市場調査が掲げられています。最上位の画面では、左側に2026年3月アルファ版リリースの表示と、事業に必要な手続きをひとつにというメッセージが示され、右側にファイル一覧、手続検索、創業のジャーニーという主要機能のイメージが並びます。これらの配置は、探す、準備する、共有するという動線を視覚的に理解しやすくする狙いがうかがえます。
GビズポータルはGビズIDと連携し、共通アカウントで申請書類の準備や管理をワンストップで行えるようになります。関連情報として、GビズIDのサービス概要やアカウント作成方法、具体的な活用方法やよくある疑問、さらにGビズIDで利用できる省庁や自治体のサービス一覧が案内されています。電子ロッカーのチャットにはメール通知設定があり、通知しない、自組織のフォルダ権限ユーザー、メールアドレス指定といった選択肢が示されています。これにより、関係者間のコミュニケーションが書類の格納場所と一体化し、連絡の行き違いを抑える運用が可能になります。手続の探しやすさと準備の見える化を同時に高める設計が、全体の体験を支えています。
アルファ版は2026年3月の公開予定で、主な機能群は前述の通りです。横断検索では、補助金や行政手続の切り替え、昨年度の補助金の参照といった実務上の探索ニーズに対応します。電子ロッカーでは、ファイル単位で更新日時や更新者、署名情報を把握できる点が特徴です。チャットでは書類送付やコメントの履歴が残り、日付の記録が見て取れる構成例が示されています。手続ジャーニーはステップ化されたガイドにより、手続の順番や必要事項の抜け漏れを減らすことに資する設計です。いずれも、事業者の行政手続における煩雑さを解消し、効率化を目指すというコンセプトに沿った機能配置になっています。
最後に、本稿の見解として、横断検索と電子ロッカーの併用は、情報探索と証憑管理の断絶を埋める起点になり得ます。手続ジャーニーの拡充度合いが、利用開始直後の体験価値を左右すると考えます。
詳しくは「Gビズポータル」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















