帝国データバンクが公表した国内企業の2026年度業績見通しでは、増収増益を見込む企業の割合が25年度比で0.7ポイント低下し24%となりました。減少は3年連続で、先行きに対する慎重姿勢がにじみます。一方、減収減益は1.4ポイント増の23%となり、こちらも3年連続で増加しました。企業の見通しは業種間で濃淡が明確に分かれ、金利や資源価格、消費動向が収益を左右する構図が浮き彫りになりました。帝国データバンクは、地政学的な不確実性の長期化が業績を下押しするリスクに言及しています。調査は3月17日から31日にかけてインターネットで実施され、1万312社から回答を得ました。
金融と精密機械が好調見通し 一方で小売や通信で逆風顕著
増収増益と回答した企業が最も多かったのは金融で36%でした。金利上昇に伴う利ざやの改善や金融市場の活況が追い風となったことが背景です。精密機械、医療機械・器具製造も36%で並び、需要の底堅さが示されました。さらに情報サービス、飲食料品・飼料製造がいずれも31%で続き、分野ごとの明暗が見て取れます。一方、減収減益では電気通信が43%で最も多く、収益確保の難しさが表面化しました。各種商品小売が37%、家電・情報機器小売が35%と続き、上位10業種のうち小売が6業種を占めました。価格転嫁や在庫管理の難度が高まる中、収益環境の不透明感が強まっています。
上振れ要因は個人消費の回復が最多 下振れは資源価格とインフレ、人手不足
業績見通しの上振れ要因で最も多かったのは個人消費の回復で32%でした。原油・素材価格の動向が27%、所得の増加が22%で続き、需要面とコスト面の改善が収益押し上げに直結する構図です。下振れ要因では原油・素材価格の動向が52%で最多でした。物価の上昇が38%、人手不足の深刻化が34%と続き、コスト上昇と供給制約が重荷となっています。カントリーリスクは20%で、前年度から10ポイント以上上昇しました。帝国データバンクは、中東情勢の悪化が長期化すれば企業業績への下押し圧力が高まるとしています。外部環境の不確実性が高止まりする中、業績の振れ幅への警戒感が広がっています。
調査結果から見える実務対応のポイント
今回の結果は、収益見通しの二極化と外部要因への感応度の高さを示しています。コスト面では原油や素材価格の変動を織り込んだ計画が不可欠で、価格改定やサプライヤー交渉の条件設定をあらかじめ明確にすることが有効です。販売面では消費回復の波を捉えるため、需要の強い商品やサービスへの投資配分を機動的に見直すことが求められます。人員面では人手不足への備えとして採用の前倒しや育成期間の短縮を検討し、生産性の維持を図ることが重要です。地政学リスクについては代替調達ルートの確保や在庫水準の適正化により、突発的な供給遮断に備えることが現実的です。四半期ごとにシナリオ別の損益とキャッシュの下限を点検し、投資とコストの優先度を見直す体制を整えることが望まれます。
詳しくは「帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















