三和コンピュータ株式会社は、ゴルフ場のコース管理をデジタル化するクラウド型システム「Round Master TURF」を2026年3月31日に正式販売しました。太平洋クラブの協力を得て、現場のニーズを反映した機能を備え、試験導入から全国19コースでの先行稼働まで検証を重ねた点が特徴です。従来、属人化や技術継承の難しさ、環境変化への対応といった課題が残る領域に対し、作業の見える化とデータ蓄積を通じて標準化と効率化を促します。スマートフォンやタブレットを用いた現場入力により、熟練者と経験の浅いスタッフが同じ情報基盤で連携できるようになります。良質なコースづくりにつなげることで顧客体験の向上とリピーター増加を狙い、ゴルフ場運営の根幹であるコースメンテナンスのDXを前進させます。
三和コンピュータが狙うコース管理DXの背景と意義
三和コンピュータは、50年以上にわたりゴルフ場向け基幹システムを提供してきた実績を持ち、全国の経営課題解決を支援してきました。コース管理は運営の根幹であるにもかかわらず、ノウハウの属人化や人材育成、気象条件などの環境変化への即応が難しく、IT化の遅れが課題となっていました。今回の新システムは、太平洋クラブの現場協力を得て実務要件を取り込み、使いやすさと運用定着を重視して設計されています。現場起点の要件定義と反復的な機能改良が行われ、試験導入での検証結果が全国展開の判断につながりました。デジタルで作業と状態を一元管理することにより、作業品質の平準化やタイムリーな指示出しがしやすくなります。これにより、日々の管理品質を安定させながら効率を高めることが期待されます。
太平洋クラブ全19コースでの先行稼働と開発プロセス
2025年10月に太平洋クラブ八千代コースで試験導入が始まり、現場検証と機能改良が順次進められました。これを経て、2026年3月から太平洋クラブが運営する全国19コースすべてで先行稼働が開始されています。実運用の中で作業記録や進捗共有の手順が整えられ、運用に耐えるユーザーインターフェースや入力項目の最適化が図られました。先行稼働は、導入効果やオペレーション上の課題を早期に可視化し、改善点を迅速に反映するための重要な工程となりました。現場フィードバックを基にした磨き込みの結果、正式販売に至った経緯が示されています。こうした段階的な導入は、他コースでのスムーズな立ち上げにも資する取り組みといえます。
Round Master TURFの主要機能と活用イメージ
Round Master TURFは、スマートフォンやタブレットでコース上の作業内容を写真や情報とともに記録できるクラウド型システムです。主な機能は、作業実績登録機能、日や月単位での報集計機能、コース状況記録機能、そして今後提供予定の作業計画機能が挙げられます。リアルタイムでスタッフ間の情報共有が可能となり、進捗の見える化が進むことで、段取りの最適化や品質の平準化を後押しします。写真とテキストを紐づけた記録は、作業の再現性向上や教育にも有用です。クラウド提供により、拠点をまたいだ状況把握や本部からの確認がしやすくなります。データが蓄積されることで、季節要因や天候条件と作業結果の関係を振り返る下地が整います。
料金と提供形態、導入の進め方のポイント
提供形態はクラウドサービスで、初期費用は150,000円、月額利用料は30,000円で税別です。拠点やデバイスに依存しないクラウド基盤のため、導入準備はアカウントと端末の手配、運用ルールの定義から始めやすい構成です。現場入力が前提となるため、日々の作業フローに合わせた入力タイミングの整理や、写真撮影の基準づくりが活用の鍵になります。まずは作業実績登録と日報月報の定着を図り、次にコース状況記録の粒度を整えるとデータの比較がしやすくなります。先行稼働の事例が示すように、運用開始後のフィードバックサイクルを短く保つことで、定着と効果の最大化が期待できます。作業計画機能の提供が始まった際にスムーズに移行できるよう、現行の計画立案手順の見直しも合わせて進めると良いでしょう。
将来の機能強化の方向性と活用展望
今後はAIの解析技術を活用し、芝の状態や作業履歴をもとに作業タイミングの提案やリスク予測を行うアシスト機能の実装が視野に入れられています。蓄積データの量と質が高まるほど、提案の精度や有用性は高まるため、現段階から記録様式の統一と抜け漏れ防止の運用が重要です。写真とテキストの両輪で状態を残し、異常時の対応も同じ項目で記録することが将来の分析に資する形になります。クラウドを前提とすることで、複数コースの状況を横断的に比較できる可能性が広がります。顧客体験価値の向上やリピーター増加を支える基盤として、標準化された運用とデータ活用の循環が整っていくことが期待されます。継続的な機能強化により、コースメンテナンスのDXが一層進む見通しです。
詳しくは「三和コンピュータ株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















