沖電気工業株式会社、ライテラジャパン株式会社、慶應義塾大学は、未来光ネットワークオープン研究センターを活用し、空孔コア光ファイバーによる次世代光回線の実証結果を公表しました。OKIが中心に開発した次世代光回線システムのプロトタイプと、ライテラジャパンが開発した空孔コア光ファイバーを組み合わせ、1.26μmから1.58μmの広帯域での波長多重信号を、1芯で双方向に伝送することに世界で初めて成功しています。さらに最適な収容切替によって消費電力の最小化を確認し、実用化時には電力を最大で十分の一まで低減できる見込みが示されています。本成果は総務省の研究開発プロジェクト「グリーン社会に資する先端光伝送技術の研究開発 JPMI00316」の一環として得られました。3者はこの成果を踏まえ、通信の低遅延性を活かした新サービスの創出や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて研究開発を継続します。
背景と目的 トラヒック急増と省電力化の両立に挑む
テレワークの定着や超高精細映像の普及、生成AIを含む先端技術の活用によって、通信トラヒックは急速に拡大しています。インフラの消費電力も同時に増加しており、大容量と低消費電力を両立する光通信網の整備が課題になっていました。この課題に対し、沖電気工業株式会社、ライテラジャパン株式会社、慶應義塾大学は、大容量光伝送と効率的なアクセス収容技術の開発を推進してきました。今回の実証は、広帯域での双方向伝送と省電力化の両立に道筋を示し、運用時の電力コスト抑制や高品質サービス基盤の整備に資する内容です。通信事業者が需要増に対応しつつ、低遅延かつ大容量のネットワークを持続可能に運用する上で、空孔コア光ファイバーの特長が明確化されました。研究基盤としては慶應義塾の研究センターが活用され、産学連携の枠組みで技術検証が進められています。
実証のポイント 空孔コアと収容最適化で電力を十分の一へ
実証では、OKIの次世代光回線システムのプロトタイプとライテラジャパンの空孔コア光ファイバーを用い、1.26μmから1.58μmという幅広い波長帯の波長多重信号を1芯で双方向に伝送しました。空孔コア構造は光を空気中に近い領域へ導くことで、低遅延や低非線形性につながる利点が期待されます。今回、最適な収容切替の仕組みも合わせて評価し、消費電力の最小化を確認しています。実用化段階では通信トラヒックの増大に対応しながら、電力を一割程度まで抑える効果が見込まれます。広帯域の双方向性と省電力性を両立させた点が世界初の意義であり、将来のアクセス網における装置集約や空調負荷の低減にも波及効果が期待されます。プロジェクトは総務省の枠組みの下で進められ、グリーンなネットワーク実現に向けた重要な成果となりました。
展望 100G-PONとIOWNを見据えたユースケース創出へ
今後、沖電気工業株式会社は次世代PONシステムに加えて、空孔コア光ファイバーの特長を生かしたユースケース研究を進める計画です。100G-PONの実用化とIOWNに必要なアクセスシステムの実用化を目指し、研究開発と商品開発を加速します。ライテラジャパン株式会社は早期実用化に向け、ファイバー周辺技術も含めた特性改善と量産化を推進します。さらに慶應義塾大学の未来光ネットワークオープン研究センターなどを活用し、多様なユーザーとの実証を広げる予定です。3者は今回の成果を足掛かりに、低遅延性を活かした新サービスの検討や、設備運用時のエネルギー効率を高めるアーキテクチャの整備を進めます。カーボンニュートラルへの貢献と、高品質な通信基盤の両立をめざす道筋が具体化しつつあります。
詳しくは「沖電気工業株式会社」「ライテラジャパン株式会社」「慶應義塾大学」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















