国内の経営コンサルティング業で、倒産や休廃業解散が過去最多ペースとなっています。株式会社帝国データバンクの調査によると、2026年1月から5月までに判明した倒産と廃業の累計は242件でした。前年通年の568件を約1割上回る速度で進行しており、年間で600件超が市場から退出する可能性が指摘されています。背景には、生成AIの進化によってデータ収集や分析、資料作成といった業務のコモディティ化が進み、専門性による差別化が難しくなっている実態があります。特に、代行業務に依存したビジネスの脆弱性が露呈し、市場の淘汰が加速しています。

倒産の内訳を見ると、2026年に発生した倒産は74件で、2000年以降で最多だった前年のペースを上回りました。休廃業や解散は168件で、前年同期比で19件増、12.8パーセント増加しています。行政向け申請の代行に依存していた事業者や、中古車やLEDを利用した節税スキームの指南など、制度のさや抜きを主目的とした事業者の破綻が目立ちます。特に、コロナ禍で需要が膨らんだIT補助金の申請代行は、デジタル化・AI導入補助金への移行後に審査が厳格化し、参入増や需要の一巡も重なって受注が急減しました。小規模事業者では特定案件への依存度が高く、予算見直しやプロジェクト中断で収益が直撃されやすい構造も影響しています。さらに、人件費削減が難しい中で固定費が重くのしかかり、資金繰りが破綻して事業継続を断念するケースが相次ぎました。
一方で、市場規模自体は拡大から転換局面へと移っています。国内の経営コンサルティング市場は、事業者売上高ベースで2023年度に4兆円を突破し、従業員数は17万人に達しました。ただし伸び率は鈍化し、急拡大フェーズからの明確な変化が表れています。顧客ニーズは、リスクマネジメント、M&A、新規事業開拓など高度で本質的な課題解決へシフトしています。足元では、基礎的なリサーチや汎用的な研修コンテンツが生成AIにより急速に代替され、差別化のハードルが上がりました。生成AIが直接の倒産理由と断定された事例はまだ確認されていませんが、申請代行のような労働集約的で制度依存的なモデルから脱却できない事業者は、今後も下押し圧力に直面するとみられます。市場の選別が進むなか、専門性の高度化と収益源の多角化が、持続性を左右する分岐点となっています。
詳しくは株式会社帝国データバンクの公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















