世界中で導入が進むクラウドサービスですが、その市場がわずか10年で15倍という異次元の膨張を遂げていることをご存じでしょうか。年間売上高が5000億ドルを突破した巨大市場で、絶対王者アマゾンを脅かす新たな勢力が台頭しています。生成AIの台頭がクラウド市場のダイナミクスにどのような変化をもたらしているのか、最新データからその実態を紐解きます。
生成AIの爆発が牽引する35パーセントの急成長とシェアを奪うネオクラウドの台頭
シナジー・リサーチ・グループの最新データによると、企業の第1四半期におけるクラウドインフラサービスへの支出は前年同期から350億ドル以上増加し、1,290億ドルに達しました。年間の売上高ランレートは5,000億ドルを突破しています。前年同期比の成長率は35%を記録し、9四半期連続で上昇を続けました。これは市場規模が現在の40%だった2021年第4四半期以来の最高水準です。この拡大の背景には、生成AIによる世界的な需要の激変があります。パブリッククラウド市場では上位3社がシェアの67%を占めており、アマゾンが28%でリードを維持する一方、マイクロソフトが21%、グーグルが14%を記録し、高い成長率で追い上げています。
主要3社を猛追する新たな勢力も台頭しています。オープンAIやコアウェーブ、オラクル、クルーソー、ネビウス、アンソロピック、バイトダンスといった企業が極めて高い成長率を示しています。特に「ネオクラウド」と呼ばれるAI特化型の新興企業5社が世界のトップ30社に入りました。ネオクラウドは市場全体の5%を占めており、AIセグメントではさらに大きな存在感を示しています。また、地域別ではインドやインドネシア、台湾、タイ、マレーシアなどが世界平均を大きく上回る成長を遂げました。米国は依然として最大の市場であり、第1四半期に37%の成長を記録しています。欧州では英国とドイツが最大規模ですが、アイルランドやノルウェー、ポーランドが最も高い伸びを見せています。
同グループの主席アナリストであるジョン・ディンスデール氏は、現在の市場規模が10年前の15倍に達していると指摘します。今後もAIが利用を促進し、新たなユースケースを開拓することで力強い成長が持続すると予測しています。第1四半期に38%成長したパブリックIaaSおよびPaaSサービスが市場の大部分を占め、全体の成長を強力に牽引しています。
見解として、年間5000億ドル規模に達したクラウド市場が生成AIの登場によって再加速し、AI特化型のネオクラウドが台頭している現状は、ITインフラのパワーバランスが激変している証拠です。 企業は主要3社に依存するだけでなく、最新のAI技術に対応した新興クラウドを柔軟に組み合わせるマルチクラウドDXを推進することが、今後の競争力を左右する鍵となります。
詳しくは「Synergy Research Group」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















