家庭の定番メニューであるカレーライスのコストが下がりつつあります。株式会社帝国データバンクの独自試算によると、2026年5月の「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は1食あたり361円となりました。前年同月比では12円、率にして3.4%の上昇ですが、前月の364円からは3円の低下です。東京都区部の物価動向を用いた前回の予想値366円を5円下回り、想定から下振れしました。前年からの上げ幅が10円台に収まるのは、令和のコメ騒動が本格化する前の2024年6月以来、約2年ぶりです。調査は各種価格データに総務省の小売物価統計調査の全国平均を用い、6食分をまとめて調理する前提で算出されています。
物価の押し上げ要因だったコメが下落に転じたことが、全体の冷却に直結しました。2025年に5kgあたり5000円超まで急騰したコメ価格は、令和7年産米を含む流通で需給の緩みが広がり、急速に値下がりしています。一方で、ジャガイモやタマネギは入荷の回復で急騰こそ落ち着いたものの高値が継続しました。畜肉は円安による生産コストや輸入コストの上昇が効いて高止まりの状況です。結果として、肉や野菜の高値分をコメ安が相殺し、カレーライス物価は下落方向へ転じています。2026年5月のカレーライス物価指数は2020年平均を100とした場合の141.0で推移しました。
メニュー別では、全てが前年同月を上回りましたが、上昇幅に差が出ました。最も上昇率が大きかったのはシーフードカレーで512円となり、前年から24円、4.9%の上昇です。チキンカレーは224円で、前年から9円、4.2%の上昇でした。輸入鶏肉の価格高騰などの影響は残るものの、金額の伸びが1桁台となるのは2024年8月以来、約2年ぶりです。ピーク時には30%を超えた2024年から2025年の上昇局面に比べ、沈静化がうかがえます。最も変動が小さかったのはビーフカレーで473円、前年から11円、2.4%の上昇にとどまりました。これら5メニューの平均が全体の361円を構成しています。
先行きの見通しでは、2026年6月は1食あたり平均352円前後と予想され、5月から9円の下落が見込まれます。水準としては2025年9月以来の安値となり、前年同月比の上昇幅も5円にとどまり、1桁台は2023年6月以来、約3年ぶりです。米穀安定供給確保支援機構の価格見通し判断DIでコメの先安観が一段と強まり、在庫の積み上がりによる余剰感が背景にあります。タマネギや輸入牛肉、鶏肉は高値安定が続く見込みで、夏場にかけては暑さの影響で豚肉などの上昇リスクも指摘されています。ただし、コメの下落が大部分を占めるコストを押し下げ、足元では上昇予想から下落基調へ見方が転換しています。「第二次カレーショック」前の水準に戻りつつある点が特徴です。
家庭での実務面では、価格の下落が見込まれるコメの購入タイミングを適切に計り、まとめ買いと保存方法の最適化で効果を高めることが有効です。高止まりが続く畜肉は特売情報を活用し、部位やメニューの代替でコストを抑えられます。野菜については入荷増で急騰は沈静化しているため、旬の産地品を選ぶことで価格と品質のバランスが取りやすくなります。6食分のまとめ調理を前提とした算出である点を念頭に、一度に複数食を作り冷凍保存する方法は、光熱費の節約につながります。物価動向を踏まえた計画的な買い物と調理が、家計の安定化に寄与します。
詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















