TOTO株式会社は、パブリックレストルーム向けIoTサービス「TOTO CONNECT PUBLIC」の追加オプションとして「バリアフリートイレみまもり機能」を2026年8月3日に提供開始します。カメラ設置が難しい公共トイレにおいて、富士通株式会社のミリ波センサーとAIを活用し、在室状況や転倒などの異常を高精度に検知します。2024年に両社が共同で実施した実証実験では、車いすや杖利用者など多様な利用者の姿勢や動作を精度高く推定できることを確認しました。異常検知時は管理者や警備員へメールや管理画面で通知し、早期対応を促す仕組みです。TOTOは同機能により、設備管理者と施設利用者双方の価値向上を図り、安全で安心な公共トイレの実現を目指します。
提供開始の背景 安全確保とプライバシー配慮を両立する見守りの必要性
高齢者や障がい者、乳幼児連れなど多様な方が外出しやすくなり、バリアフリートイレの利用状況は一層多様化しています。安全面の見守りニーズが高まる一方、個室空間にカメラを導入することはプライバシー上の制約が大きく、現場では実装が難しい状況が続いてきました。TOTOは1960年代から障がい者配慮に取り組み、2000年代にはユニバーサルデザインを推進してきた経緯があり、社会的要請に応える新たなソリューションの検討を継続してきました。その延長線上で、非カメラ型センシングによる見守りの可能性を追求し、富士通のミリ波センサーとAI解析の組み合わせにより、プライバシーに配慮しつつ必要な見守りを成立させる技術的アプローチを確立しました。こうした背景の下、本機能の提供開始が決定されています。
実証実験の概要 多様な利用者の姿勢推定と異常検知を検証
実証は2024年1月15日から12月末まで、TOTOのUD研究所と富士通のFujitsu Uvance Kawasaki Towerのバリアフリートイレで実施されました。ミリ波センサーが取得する反射波情報や点群データを用い、在室の有無や長時間滞在、転倒といった状態を検出し、検知結果の有効性を評価しました。検証対象は健常者に加え、車いす利用者や介助者同行のケース、杖利用者など多様なケースを含みます。両社は検証と評価を繰り返し、検知精度の改善に取り組みました。結果として、静止体と動体の双方で在室検知の高精度化を確認し、個室内で対象者の位置把握が可能であることを示しました。さらに、転倒状態を低姿勢動作として検知できること、杖や車いす、大型ベッド使用、視覚障がい者など多様な利用者の姿勢や動作推定が高精度に行えることを確認しています。
みまもり機能の仕組み 24時間自動検知と通知で早期対応を支援
提供される「バリアフリートイレみまもり機能」は、ミリ波を活用した空間センサーで個室空間を常時見守ります。センサーが検知したデータをもとに在室情報や異常状態を自動で判定し、万一の転倒や長時間滞在が発生した際には管理者や警備員へメールおよび管理画面で通知します。これにより、不慮の事故や体調不良者の早期発見につながる運用が可能になります。カメラを使わずに姿勢や動作を推定するため、個人の容貌を記録しない形でプライバシーに配慮した見守りが実現されます。設備管理者は通知を起点に現場確認や声かけなどの初動対応を迅速化でき、施設の安全性と安心感の向上に寄与します。機能は「TOTO CONNECT PUBLIC」に追加オプションとして提供され、既存の設備管理と組み合わせた運用が可能です。
TOTOと富士通の役割分担 ノウハウとAI解析を融合
TOTOは長年のユニバーサルデザインの取り組みで培ったトイレ空間づくりの知見を活用し、技術評価や改善の方向性を提示しました。社会的なニーズや法令動向、さまざまな身体状況の方が直面する困りごとに即した評価観点を持ち込み、実装時の有用性を高めています。富士通はミリ波センサーから得られる情報を独自AIで解析し、対象者の位置や高さから姿勢を推定する技術を提供しました。これにより、カメラのない環境でも在室や転倒などを高精度に検出できる仕組みが成立しています。両社の連携により、技術的実現性と実運用での有効性の双方を検証し、提供開始に必要な要件を整えました。役割を明確に分担することで、導入後の改善にも反映しやすい体制が構築されています。
導入価値と今後の展望 公共トイレの安全と運用の付加価値を強化
本機能の導入により、設備管理者はアラート起点で実効的な対応が可能となり、見守りの常時化と対応の迅速化を両立できます。施設を利用する方にとっては、万が一の際に早期に気づいてもらえる安心感が高まり、公共トイレの利用ハードルの低減につながります。「TOTO CONNECT PUBLIC」は、2021年6月にパブリックレストルーム設備管理サポートシステムとして提供を開始し、2025年8月に名称変更した経緯があります。今回のオプション追加により、設備管理機能に安全見守りの価値が加わり、サービスの総合力が高まります。TOTOは、きれいと快適・健康、環境を両立するサステナブルプロダクツの普及やIoT活用を通じ、地球環境に配慮した豊かで快適な社会の実現に貢献していく方針です。公共トイレの安全性とプライバシー配慮を両立する本機能は、その取り組みを具体化するものとして位置づけられます。
詳しくは「TOTO株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















