AIエージェント時代の顧客アイデンティティ再構築が急務というテーマで、Okta Japan株式会社が「Customer Identity Trends Report 2026」を公表しました。世界7カ国の消費者5,250名と開発者・経営層910名を対象に、96%が顧客体験へのAI統合を予定し、59%がAIエージェントを本番運用または開発中と回答する一方、目標速度で進む企業は20.3%にとどまりました。遅延要因はコンプライアンスやガバナンスが最上位で、開発者の17.8%が既存のアイデンティティ基盤の未対応を直接要因と指摘しています。AIエージェント固有のアクセスに人間前提の認証が追随できず、過剰権限、被害範囲拡大、行動コンテキスト欠如、資格情報拡散の四つの脆弱性が顕在化しています。AI構築中の組織で一時的かつ厳格に制限した資格情報を付与しているのは22.4%にとどまり、共有アカウントや権限継承、コードへの資格情報埋め込みといった高リスク運用が確認されました。日本でもAI推進は73%に達する一方、目標速度達成は28%未満で、遅延理由の23%がアイデンティティ基盤の未対応を挙げ、未着手企業の約60%は古いインフラを最大理由としています。さらにエンジニア工数の平均15%以上がCIAMの構築や保守に割かれており、開発投資の阻害要因となっています。
消費者面では、AIの進化が速すぎると感じる割合が52%で、完全自動に委ねたい層は6%にとどまります。価格やレビュー前のアカウント作成要求で74%が離脱し、信頼の獲得には権限レベル設定や承認通知、必要時の人間への問合せなどの透明性とコントロール権が鍵です。日本はAIを使わないとする割合が37%で、倫理的ガイドラインや第三者基準を重視する回答が37%と世界最多でした。解決策として、AIエージェントを正規のアイデンティティとして扱える外部CIAMの活用が示され、外部CIAMのみを利用する企業はAIエージェントの本番運用が34.4%で他手法の22.3%を上回り、目標速度達成も28.3%と優位です。認証摩擦による顧客利用頻度への悪影響はレガシー運用39.5%、自社構築30.3%に対し、外部プラットフォーム利用は13.9%に抑制されています。利便性とセキュリティの二者択一を脱し、人間とAIを区別したアイデンティティモデルの設計と、事前承認通知や取り消し機能の実装が実務上の要点です。
詳しくは「Okta Japan株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















