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コラム

50歳未満は全員「借金超過」の衝撃。40代は貯蓄1381万に対して負債1483万、若者・子育て世代を直撃する住宅ローンの重圧

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総務省が2026年5月19日に公表した家計調査報告(貯蓄・負債編)によると、2025年における二人以上の世帯の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は2059万円となりました。前年比3.8%増で7年連続の増加、さらに比較可能な2002年以降で最多という結果です。数字だけ見れば「日本の家計は豊か」という印象を受けます。しかし、この数字には重要な注釈が必要です。

「平均2059万円」を信じてはいけない理由

貯蓄現在高の平均値が2059万円である一方、貯蓄保有世帯の中央値は1264万円にとどまります。さらに、約3分の2(66.1%)の世帯が平均値を下回っています。平均値は一部の高額貯蓄世帯に引っ張られて実態より高く見える傾向があります。中央値こそが「真ん中の世帯」の実態に近い数字です。1264万円という中央値と2059万円という平均値の間には795万円もの開きがあり、この差が貯蓄格差の大きさを物語っています。

増えているのは「株」と「現金」

貯蓄の内訳にも注目すべき変化があります。有価証券は440万円で前年比16.7%増となり、3年連続の増加です。通貨性預貯金は710万円で17年連続の増加を続けています。NISAの恒久化・拡充を背景に、株式や投資信託といった有価証券への資金流入が加速していることが数字に表れています。「貯蓄から投資へ」という政策の効果が、じわじわと家計の資産構成を変えつつあります。

年代で全く異なる「貯蓄と借金」の景色

世帯主の年齢階級別にみると、構造的な差異が鮮明です。50歳未満の世帯では負債現在高が貯蓄現在高を上回る「負債超過」の状態にあります。40歳未満では貯蓄994万円に対して負債1882万円、40〜49歳では貯蓄1381万円に対して負債1483万円です。住宅ローンを抱える現役世帯にとって、「貯蓄2059万円」という平均値は遠い世界の話といえるでしょう。一方、60〜69歳では貯蓄2843万円に対して負債234万円で、純貯蓄額は2609万円と全年齢階級で最多となっています。70歳以上も貯蓄2471万円に対して負債81万円と貯蓄超過が顕著です。

負債保有世帯の割合も40〜49歳が67.0%と最も高く、年齢が上がるにつれて低下します。ローンを組んで家を買い、子育てをしながら老後に備える。この構造は数字の上でも明確に確認できます。

データが示す「二極化する家計」

今回の調査が示す本質は、平均値の上昇ではなく、その裏にある二極化の深まりです。資産運用で貯蓄を増やせる層と、住宅ローンと生活費の間で身動きが取りにくい層。この二つの現実が同じ「平均2059万円」という数字に同居しています。企業がDXや新サービスを考えるとき、顧客の「平均像」ではなく「分布の実態」を見ることが欠かせません。家計調査の数字はその好例です。平均値の陰に隠れた多数派の姿こそ、マーケットの本当の姿といえるでしょう。

レポート/DXマガジン編集部 權
(出典:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-」(2026年5月19日公表)

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