MENU

ニュース

GPT-4oを上回る評価も 楽天「Rakuten AI 3.0」、国内最大級LLMの実力とは

  • URLをコピーしました!

生成AIは日本語でどこまで高精度になったのか。楽天グループ株式会社が国内最大規模とする「Rakuten AI 3.0」を公開しました。日本固有の知識や大学院レベルの推論まで複数指標で優位を示し、Apache 2.0で無償提供という開放性も打ち出しています。評価スコアと提供方針から、その実像を解き明かします。

日本語タスクでの優位性とオープン提供の狙い

楽天グループ株式会社は、経済産業省とNEDOが推進するGENIACプロジェクトの一環で開発した「Rakuten AI 3.0」の提供を開始しました。2025年12月の発表後に追加のファインチューニングを施し、日本語の各種ベンチマークで高いスコアを示しています。JamC-QAで76.9、MMLU-ProXで71.7、MATH-100で86.9、M-IFEvalで72.1を記録し、gpt-4oや国内大規模モデル群と比較して上回る評価が提示されています。モデルはApache 2.0ライセンスで配布され、楽天グループ株式会社の公式リポジトリから無償ダウンロードが可能です。これにより、国内の企業や技術者がアプリケーション開発で試験導入しやすい環境が整います。研究と実装の往還を加速することが狙いで、活用範囲の広さと入手性の高さが両立している点が特徴です。

楽天グループ株式会社によると、Rakuten AI 3.0は日本語に最適化した約7,000億パラメータのMixture of Expertsを採用します。オープンソースコミュニティの優良モデルを基盤に、同社の高品質なバイリンガルデータと研究成果を組み合わせる構成です。日本語のニュアンスや文化、慣習の理解に強みがあり、文章生成、コード生成、文書解析や抽出までテキスト処理全般で性能を示します。これまでの社内モデルと比べて、複雑なタスクでの精度が大幅に向上したとしています。Chief AI & Data Officerのティン・ツァイ氏は、高品質で費用対効果の高いLLMの開発に注力していると述べ、オープンモデルの共有を通じて国内のAI開発を加速し、協調的なコミュニティの構築を目指すとコメントしています。

さらに、楽天グループ株式会社は次世代LLMの研究開発でGENIAC第3期公募に採択されています。本モデルの学習費用の一部はGENIACの補助を受けており、計算資源面での支援が示されています。現時点でLLMは研究目的での開発段階にあり、サービス品質向上のために多様な選択肢を評価検討していく方針です。オープンソースコミュニティへの貢献を掲げ、モデル公開によってAIアプリケーションやLLMの開発が一段と前進することが期待されます。AI活用を企業活動の中心に据える「AI-nization」をテーマとし、豊富なデータと最先端技術で新たな価値の創出を目指す姿勢が示されています。国内最大規模という位置付けは、2026年3月17日時点の開示情報に基づく自社調べで、Rakuten AI 7Bが約70億、Rakuten AI 2.0が約470億と比較されます。

本稿で取り上げた数値は、各種日本語ベンチマークの提示結果に基づきます。JamC-QAは日本固有の文化や歴史知識、MMLU-ProXは大学院レベル推論、MATH-100は競技数学、M-IFEvalは指示遵守能力を評価しています。比較にはgpt-4o、GPT-OSS-Swallow-120B-RL-v0.1、Stockmark-2-100B-Instruct、ABEJA-QwQ32b-Reasoning-v1.0が含まれ、Rakuten AI 3.0は4指標すべてで上位の数値を示します。とりわけMATH-100の86.9やJamC-QAの76.9は、日本語での高難度推論や知識回収への適合性を示す材料となります。Apache 2.0の下での無償提供は、実運用の検証や拡張に向けて自由度の高い活用を可能にします。日本語中心のタスクに取り組む開発現場で、学習データやアーキテクチャ選定の指針を与える事例となるはずです。

見解として、公開スコアの整合性と再現性を担保する検証プロトコルの開示が進めば、導入判断がより容易になります。加えて、研究目的から実運用段階への移行に向け、長文安定性や安全対策の評価指標が示されると一層実務適合が高まるでしょう。

詳しくは「楽天グループ株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 公式LINEメンバー

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる