屋外の工場点検で本当にリアルタイムは可能なのか。そんな壁を、NTT東日本とWiGigの組み合わせが破りました。岡山の水島コンビナートで約700km先とつないだ結果は、遅延0.1秒未満。免許不要の60GHzという選択に、次の一手が見えてきます。
0.1秒未満の現場リアルタイムは、どう作ったのか
NTT東日本株式会社、NTTドコモビジネス株式会社、NTTドコモソリューションズ株式会社、株式会社NTTデータグループ、1Finity株式会社、三菱ケミカル株式会社の6社は、屋外スマートメンテナンスの基盤を検証しました。現場は岡山県の水島臨海工業地帯です。構成はIOWN APNと60GHz帯無線LANの併用です。APNは岡山事業所と東京都内のビルを約700kmで接続しました。区間にはNTTドコモビジネスのdocomo business APN Plus powered by IOWNを用いました。伝送は100Gbps対応で低遅延が特長です。
構内はWiGigで約2kmを無線化しました。無線中継器は18台で、構築は約6時間です。上りは最大900Mbpsを確認しました。人や車両、ロボットのセンサー接続も成立しました。4Kカメラ8台を同時伝送しました。合計は約400Mbpsです。WiGigの2kmとAPNの往復約1,400kmを束ね、端末から端末まで0.1秒未満の低遅延を確認しました。
この構成は、屋外の通信制約とユースケース不足の悪循環を断ち切ります。免許不要の60GHzと光中心のAPNを並走させる意義が明確になりました。スマートメンテナンスに必要な映像と音声の同時リアルタイム収集が屋外で成立しました。遠隔の計算資源と接続し、実運用レベルの巡回点検支援の見通しが立ちました。
役割分担は明快です。NTTグループはAPN構築とWiGigの短期整備、センサーデータの品質検証を担いました。1FinityはAPN構築の技術知見と関連機器を提供しました。三菱ケミカルは実験場所の提供と要件定義を担当しました。コメントでも展望が語られています。NTTドコモビジネスは地理的制約の解消と労働力不足への貢献を示しました。1Finityは低遅延と高信頼が産業の在り方を変える可能性に触れました。三菱ケミカルは屋外通信構築という最大課題への解決策を強調しました。
次段階の焦点は実装です。高精度カメラやロボットを複数台で安定制御できる環境の高度化を進めます。複数拠点でのマルチオペレーションに向けたネットワーク整備も検討します。マルチモーダルAI処理に対応したコンピューティング基盤の実証も続きます。屋外スマートメンテナンスの社会実装に向け、短期構築と広域低遅延の両立が鍵となります。今回の検証は、再現性の高いモデルとしての価値を示しました。
見解として、免許不要の60GHzを軸に据えた点が、導入のハードルと構築スピードを同時に解決しています。0.1秒未満の遅延は、遠隔AI支援のリアルタイム要件を満たす基準として実務価値が高いです。
詳しくは「NTT東日本株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















