Notion Labs Japan合同会社は、業務で生成AIを利用する日本のナレッジワーカー1,000名を対象に調査を実施し、個人レベルでの活用は進む一方で、組織としての展開に課題が残る実態を明らかにしました。週1日以上AIツールを使う割合は64%で、毎日使う層も20%以上に達しています。継続利用意向は87%と高い一方、満足度で「とても満たしている」は12%にとどまり、出力の凡庸さや独自性の不足が不満点として挙がりました。組織の活用環境は「整っている」49%と「整っていない」51%で拮抗し、企業規模による格差が示されています。最大の障壁はスキルとトレーニング不足で33%が指摘しました。社内の背景情報をAIが活用できる情報基盤の整備が不可欠である点が結論として強調されています。
個人利用の加速。週1日以上が64%、用途は文章生成や調査支援が中心
AIツールの利用頻度は、週1日以上が64%、そのうち毎日利用が20%以上という結果でした。用途別では、文章生成やチャットボットの利用が41%と最も高く、生産性向上や調査支援が38%、コーディングや開発支援が23%と続きます。全用途で、20代と管理職は他層に比べて高頻度かつ広範に活用する傾向が見られました。日常業務の壁打ちや下書きづくりなど、短時間で成果を出す場面での定着がうかがえます。高頻度利用の広がりは、業務の初期段階からAIを取り入れる行動様式が浸透していることを示します。こうした利用動向は、企業側のルール整備や教育が追いつかず、現場主導での利用が先行している実態を反映しています。調査は2025年11月13日から14日にネットリサーチで実施されました。
満足度のギャップ。継続意向は87%だが「とても満足」は12%、凡庸な出力が不満に
現状のAIツールに「ある程度満足」と回答したのは66%で多数派ですが、「とても満足」は12%にとどまりました。継続利用意向が87%と極めて高い一方で、期待を大きく上回る体験には至っていない状況です。不満点の最上位は「出力が凡庸で独自性に欠ける」ことであり、汎用的な応答ではなく自社独自の内容や既存ツールとの連携を求める声が読み取れます。利用シーンが広がるほど、社内の文脈や過去資産へのアクセスが精度に影響する点が顕在化しています。実務に適合した生成結果を得るためには、業務コンテキストの取り込みが重要となります。満足度の伸び悩みは、出力が凡庸で独自性に欠けるという不満に起因しており、自社独自の内容や既存ツールとの連携を求める声が強まっています。
組織展開の二極化。環境整備「整っている」49%と「整っていない」51%、規模格差が顕著
組織としてのAI活用環境は、整備の進捗が二極化しています。大規模企業では環境が整い展開が進む一方、小規模企業では7割近くが不十分と感じており、規模による格差が鮮明です。最大の障壁は「スキル・トレーニング不足」で33%が回答し、利用許可やツール提供だけでは活用が進まない構造が示されました。管理職層では、スキルに続き「予算的制約」と「ガバナンス・ポリシーの不備」(ともに28%)も重視され、セキュリティや投資対効果への配慮が強く表れています。ルール整備や教育が追いつかず、現場主導の利用が先行している現状も指摘されました。組織的な拡大には、人材育成と運用設計の両輪が欠かせません。整備状況の差はアウトプットの質と業務定着の速度に影響します。
任せたい業務の上位は文書作成、情報管理、議事録。社内情報への即時アクセスが前提
AIに任せたい業務は、ドキュメント作成や文章校正が19%、情報管理や検索が18%、議事録作成が11%と、日常的なナレッジワークに集中しています。これらの業務は時間を要する一方で付加価値が限定的なため、代替や支援のニーズが高いと整理できます。ただし、成果は社内の背景情報の有無に大きく左右されます。ナレッジ管理機能により、社内情報や過去資料をAIが即時参照できる状態を整えることが肝要です。求められているのは、生成の巧拙よりも、組織の文脈に即した正確で再利用可能な出力です。ツール単体に依存せず、社内の背景情報をAIが活用できる情報基盤を整備することが、アウトプットの品質を向上させる鍵となります。
組織展開の鍵。セキュリティ、経営コミット、スキル育成、連携基盤、業務組み込み
成功に向けた鍵として、五つの要素が整理されています。第一に、61%が重視するセキュリティ対策の強化で、アクセス制御とコンプライアンス対応が前提となります。第二に、55%が必要とする経営層のコミットメントで、トップダウンの推進力が不可欠です。第三に、最大の障壁に挙がったスキルとトレーニングの体系化です。第四に、既存システムとの連携やナレッジ管理を含む情報基盤の整備です。第五に、従業員が任せたい業務へのAI組み込みで、文書作成や情報検索、議事録といった優先領域への適用が示されています。Notion Labs Japanは、ナレッジ、ドキュメント、プロジェクトが一箇所に集約されたワークスペースで、Notion AIが社内コンテキストに即時アクセスできる環境を提供すると説明しています。西 勝清氏は、情報基盤の整備と実行力の不足が課題だとコメントしています。
調査の設計と位置づけ。対象は生成AIを使う1,000名、2025年11月に実施
調査主体はNotion Labs Japan合同会社で、調査機関は株式会社ネオマーケティングです。ネットリサーチにより、20歳から59歳の日本に住む、業務で生成AIを使うことがあるナレッジワーカー1,000名を対象として、2025年11月13日から14日に実施されました。結果として、個人利用の拡大、満足度のギャップ、組織展開の二極化、障壁の具体化、任せたい業務の明確化が示されました。組織としての活用を進めるには、セキュアなAI活用を前提にした情報管理基盤のもとで、経営層や管理職のコミットメントを確保し、スキルやトレーニングを計画的に提供することが重要と位置づけられています。Notionは、チームとAIエージェントが協働するオペレーティングシステムとして、議事録からのアクション自動割り当てや情報取得、タスク管理、プロジェクト立ち上げ、受信トレイ整理まで支援すると説明しています。柔軟なカスタマイズ性により、企業全体の運用にも対応できるとされています。
詳しくは「Notion Labs Japan合同会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















