地域密着の「町中華」や本場志向の「ガチ中華」の人気が続くなか、中華料理店の倒産に変化が見えています。2026年1月から5月に発生した倒産は12件で、負債1000万円以上の法的整理が対象です。1月から5月の累計は3年連続で10件台と高水準ながら、2024年と2025年の各19件より3割以上少なく、年間でも過去最多だった2025年の31件をピークに、4年ぶりに前年を下回る可能性があります。集計期間は2000年1月1日から2026年5月31日で、ラーメン専業店は対象外とされています。若年層にとっての昔ながらの店構えの魅力や、短時間で食事ができる利便性が支持され、手頃な価格とボリューム感も選好を後押ししました。テレビ番組の特集やSNSでの話題化も追い風となりました。
需要の拡大は業績にも表れ、2025年度は「中華料理店」の3割超が増収となりました。訪日外国人や国内観光の回復に加え、居酒屋より割安なコース料理の人気が高まり、法人向け宴会需要も増加しています。とりわけ注目度が高まった2023年度には、増収企業が6割に迫りました。一方、損益では3割超が増益を確保したものの、2024年度をピークに低下傾向です。多彩なメニューを抱える町中華は仕込みの手間や食材ロスが生じやすく、米や肉類の仕入れ価格、光熱費の上昇が採算を圧迫しました。十分な値上げに踏み切れないケースも多く、小規模店では店主の高齢化による休業や閉店がみられます。
足元では物価高のなか「安い・早い・うまい」への需要が強まり、大手外食チェーンの参入で町中華業態は競争が激化しています。原材料コスト高、人手不足、後継者不在といった課題が重なる中で、需要を確実に取り込む運営が重要です。メニューの見直しで仕込み負担とロスを抑え、回転率の高い商品に注力することが有効です。原価が不安定な食材は分量や仕入れ先の再評価で影響を緩和できます。法人向けの宴会やコース需要に対応し、価格と内容を明確化して予約を前倒しで確保することも収益安定に寄与します。店舗の歴史や雰囲気といった魅力は、写真や短い動画での情報発信により来店動機の強化につながります。承継に向けた業務手順の可視化や運営ノウハウの整理も、事業継続の選択肢を広げます。
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