「若者のもの」と思われていたネット動画が、今や日本人の生活を完全に塗り替えています。全国調査で判明した利用率83%という驚異的な数字。なんと、流行に疎いはずのシニア層でも有料サービスへの課金が急増しているのです。なぜ今、世代を超えた「動画シフト」が起きているのか。その意外な実態に迫ります。
10年で市場が倍増したシニアのデジタルシフトと1強マルチ展開
NTTドコモのモバイル社会研究所が2026年2月に実施したWeb調査(有効回答数6748名)によると、無料、有料、ライブを含む動画サービスの利用率は全体で83%に達しました。スマートフォンの普及率が98.3%となったことも追い風となり、動画視聴は日常のインフラとして定着しています。若年層の利用率は9割、中年層でも8割を超えて高水準ですが、最も変化したのが60歳から79歳のシニア層です。シニア層の利用率はこの10年で2倍となる73%へと急拡大しました。ネットやスマホの利用拡大が、動画サービス利用の底上げにつながっています。
さらに注目すべきは、月額料金などを支払う「有料動画サービス」の広がりです。この10年で全世代に浸透しており、若年層では約6割が利用しています。中年層でも4割半ばに達したほか、シニア層でも有料動画の利用率が3割を突破しました。若い世代から始まった課金スタイルが、今や上の世代へも確実に波及しています。また、利用率の高さ自体は若い年代ほど顕著ですが、実際の利用者の年代構成比を分析すると、全体のボリュームとしては中年層やシニア層の比重が大きくなっています。動画は若者のものという固定観念は、利用者数ベースで見ると完全に覆されています。
市場が拡大する一方で、利用されるプラットフォームには明確な「1強」の独占傾向が見られます。無料動画では「YouTube」の利用率が69.9%を記録し、約3割の「TVer」や「Instagram」、2割程度の「TikTok」を大きく引き離して圧倒的な首位です。この傾向は有料動画でも同様であり、「Amazonプライム・ビデオ」が29.1%と頭一つ抜け出し、13.2%で追う「Netflix」に大差をつけています。その他の有料サービスはすべて1桁台に留まりました。9.1%でトップを走る「YouTube Live」などのライブ動画も含め、実際の顧客は特定の巨大プラットフォームに集中しています。
見解として、あらゆる世代が有料動画に財布を開く時代になり、シニア層が最大の顧客ボリュームへと浮上したデータは、デジタルエンタメの完全なインフラ化を示しています。 企業がこれからの動画マーケティングを展開する上では、YouTubeやAmazonに代表される特定プラットフォームの特性をハックすることが必須条件となるでしょう。
詳しくは「NTTドコモ モバイル社会研究所」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















