国内で初めて、トレーディングカード向けに遮光性を備えた紙製ピロー包材が開発されました。TOPPANホールディングス株式会社のグループ会社であるTOPPAN株式会社は、独自の材質構成によりプラスチック使用量ゼロを実現した本製品を発表し、2026年6月から国内外のトレーディングカードメーカーに向けてサンプル出荷を開始します。紙素材にアルミ蒸着を施して98%以上の遮光率を確保し、中身の透けを抑えることで、開封前のレアカードのサーチ行為を防ぐ設計としています。さらに、アルミ蒸着層の上に直接印刷する構造でメタリックな質感を表現し、従来のプラスチック包材に匹敵するデザイン再現性と発色を維持します。製袋時のシワを抑える専用設備も開発され、高品質な仕上がりと安定供給に向けた体制が整備されます。2026年秋から量産を開始し、環境負荷低減と意匠性の両面で市場要求に応える構えです。
何が新しいのか 高遮光とゼロプラの両立がもたらす価値
TOPPANホールディングス株式会社の発表によると、本製品は一般的なプラスチック包材で用いられるシーラント層などの樹脂部材を用いず、ヒートシール性を持つコート層と紙素材のみで構成しています。プラスチック使用量ゼロでありつつ、紙重量比が国内基準で51%以上のため、パッケージに紙マークを付与できる点も特徴です。さらに、アルミ蒸着によって98%以上の遮光率を実現し、紙素材の弱点である透けを抑制します。これにより、未開封状態でのカード内容物の判別を難しくし、レアカードのサーチ行為の抑止に寄与します。印刷はアルミ蒸着層上に直接施す構造で、金属光沢を活かしたメタリックな質感を表現でき、従来のプラスチック包材と同等の高いデザイン再現や鮮やかな発色を可能にしています。機能と見た目の両立により、環境性を高めつつブランドの世界観を損なわないパッケージングを実装できる点が新規性といえます。
市場背景 トレカ拡大と環境要請の高まりに対応
国内のトレーディングカード市場は拡大が続いており、一般社団法人 日本玩具協会の資料によれば、2024年度の市場規模は2019年度比で約3倍の3,000億円を突破しています。アパレルや飲食チェーンなど異業種コラボが増え、世代や国境を越えた文化として定着している実態が示されています。一方で、欧州を中心に包装資材の規制が強化され、CO2など温室効果ガスの排出抑制や脱プラスチックの要請が活発化しています。グローバルに展開するトレーディングカードメーカーからも環境配慮設計が強く求められており、包材の素材転換は差し迫った課題となっています。紙素材の採用には遮光性の確保や成形時のシワ抑制、生産体制の品質維持といった技術的ハードルが存在しました。TOPPANホールディングス株式会社は、こうした課題に対し蓄積した紙パッケージの設計と生産技術を適用し、素材選定の最適化と専用製袋装置の開発を進めることで、品質と生産性の両面から実用化への道筋を付けています。
技術の要点 紙マーク対象、遮光98%以上、専用製袋で高品質化
本製品は、紙とヒートシール性コート層のみの独自構成で、包材のプラスチック使用量をゼロにしています。国内の紙重量比基準を満たすため、紙マークの付与が可能となり、資源循環への取り組みをパッケージ上で可視化できます。遮光性については、紙素材にアルミ蒸着を施し、98%以上の遮光率を達成しました。未開封時に中身の透けを遮断することで、内容物の判別を困難にし、サーチ行為の抑止に資します。加えて、アルミ蒸着層の上に直接印刷する構造が採られ、金属光沢を活かしたメタリックな質感と高いデザイン再現性、鮮やかな発色を両立します。製袋工程では、紙特有のシワ発生を抑制しつつ高速折り込みを行うため、折り込み部の治具開発や送りだしローラーの改良を施した専用製袋機を開発しました。これにより、高品質なパッケージの安定供給体制が整い、2026年秋から専用ラインで量産が開始される計画です。
供給計画と目標 量産開始と売上目標の見通し
TOPPANホールディングス株式会社は、2026年6月から国内外のトレーディングカードメーカーに対して本製品のサンプル出荷を開始します。量産は2026年秋から専用ラインで開始される予定で、生産の安定化と品質確保に向けた専用設備の導入が進みます。供給体制としては、量産開始時点で年間3,000万パックの生産能力を構築する方針が示されています。売上面では、2030年までに関連受注を含めて10億円の達成を目指す計画です。環境配慮設計の要求が強まる市場において、脱プラスチックと高い意匠性を兼ね備えた本製品の採用が進むことで、グローバル展開に対応する供給と実績の積み上げが期待されます。なお、国内でのトレーディングカード向け紙製ピロー包材としては初の取り組みであることが示されており、2026年6月時点の自社調査による位置づけとなっています。
詳しくは「TOPPANホールディングス株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















