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東京ドームが観戦体験を徹底追及、デジタル駆使して過去最大規模のリニューアル

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読売新聞グループ本社、読売巨人軍、東京ドーム、三井不動産の4社は2021年12月13日、東京ドームにおいて、過去最大規模のリニューアルを実施すると発表しました。具体的には、これまでの約4.4倍の面積となるメインビジョンの新設や、入場ゲートおよびコンコースのデザイン刷新、多様な観戦スタイルに対応した新たな観客席の設置などが含まれます。それに加え、完全キャッシュレス化や、顔認証技術の導入などのDXも行います。東京ドームへのすべての来場者に「新しい観戦体験」を提供できるよう取り組むとのことです。2022年3月のオープン戦からの稼働開始を予定しています。

 今回の取り組みとして、以下の7点が紹介されています。 1. 超大型メインビジョンおよび外野フェンス上部リボンビジョンの新設
2. 入場ゲートおよび場内コンコースのデザイン刷新とデジタルサイネージの導入
3. 観客席の新設、増設およびプレミアムラウンジのフルリニューアル
4. スイートエリアを「THE SUITE TOKYO」としてフルリニューアル
5. 場内の完全キャッシュレス化と顔認証技術の本格導入
6. 演出アトラクションや場内各種サービスなどの刷新(今後、順次発表を予定)
7. 「世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアム」を目指す取り組みの継続  以下にそれぞれの概要を説明します。 1. 超大型メインビジョンおよび外野フェンス上部リボンビジョンを新設し、迫力ある映像の演出
 新設されるメインビジョンは、単体の面積として、発表によれば国内スタジアムで最大規模となる、フルカラーLEDメインビジョンです。横幅が約125.6m、面積は約1,050㎡となり、従来のメインビジョン(約238㎡)と比較して面積は約4.4倍に拡大されます。また、画質(画素の細かさ)の面でも高度化され、高精細映像を使った迫力ある映像演出が期待できます。
図1:メインビジョンイメージ図(正面)/提供:竹中工務店

図1:メインビジョンイメージ図(正面)/提供:竹中工務店

*本リリース内のすべての完成予想図は計画段階の図面を基に描き起こしたもので、施工上の都合等により変更となる場合があります。  メインビジョンとともに導入される送出制御システムでは、以下が可能になります。 ・音楽や照明と連動した映像や静止画の演出表現
・アニメーションなどの動きを交えた各種の特殊効果
・外野フェンス上部リボンビジョン(後述)や場内コンコースのデジタルサイネージと連携したコンテンツ発信  なお、当初は、2021年シーズンオフ・2022年シーズンオフの2期に分けた改修を計画していましたが、工事期間を短縮するとのことです。  メインビジョンの概要は、以下の表の通りです。
スクリーンサイズ (右翼から左翼に伸びる上段横長部分)横:約125.6m×縦:約7.5m
(中央下段部分)横:約20m×縦:約5.4m
合計面積約1,050㎡
画素ピッチ 10mm発光方式:SMD方式
解像度 (右翼から左翼に伸びる上段横長部分)12,560pix×750pix
(中央下段部分)2,000pix×540pix
 上記のメインビジョンに加え、ライト側とレフト側の外野フェンスそれぞれに、フルカラーLEDの映像送出装置(リボンビジョン)を設置します。これは、東京ドームとして初めてのことです。  リボンビジョンは、両翼ポール傍から右中間・左中間に向かって外野フェンス上端に帯状に取り付けられます。横幅は2面合計で約107mに達します。約4mの外野フェンス高に対して、上部約3分の1にあたる1.28mがリボンビジョンとなります。鮮やかな色彩で映し出した演出映像を、メインビジョンと連動して送出することが可能です。そして、より臨場感の高まる観戦体験効果を期待できます。  外野フェンス上部リボンビジョンの概要は、以下の表の通りです。
スクリーンサイズ(片側) 横53.76m×縦1.28m、面積68.813㎡
画素ピッチ 10mm
発光方式 SMD方式
解像度 5,376pix×128pix
図2:メインビジョンとリボンビジョンの全体イメージ図/...

図2:メインビジョンとリボンビジョンの全体イメージ図/提供:竹中工務店

 また、東京ドーム場内のLED照明器具、約650台を、DMX(DMX512)連動によって制御するシステムも導入します。DMXとは、照明器具の調光などの制御を行うための通信規格です。これに連動したシステムを構築することで、メインビジョンの映像や音響と連動させた、照明パターンの再生が可能となります。それにより、躍動感ある球場内の演出が可能になります。  DMX連動によるLED照明制御システムの概要は、以下の表の通りです。
DMX(DMX512) DMX512は、512チャンネルのデジタル信号を送受信することができる通信規格です。DMX連動では、照明器具1台1台を個別に制御できます。そのため、場内のLED照明器具をさまざまなパターンで点灯、調光することが可能となります。
2. 入場ゲートおよび場内コンコースのデザイン刷新とデジタルサイネージの導入
 入場ゲート、および場内コンコースのデザインを刷新しデジタルサイネージを導入します。それにより、各入場ゲートから観客席に到着するまで、ジャイアンツの世界に没入する効果を期待できます。全ゲートを新たなデザインに変更します。また、コンコースには、LEDディスプレイや、デジタルサイネージを設置します。快適で洗練された空間を目指します。  場内コンコースにおけるLEDディスプレイ、デジタルサイネージの概要は、以下の表の通りです。
場内コンコースなどに約260台のデジタルサイネージを導入 座席から離れていても、これまで以上に多くのエリアで試合映像や演出映像を観覧できるようになります。また、試合展開に合わせて、場内サイネージを特定の演出映像で一斉表示するといった送出制御も可能です。そのため、球場全体の一体感をより高める企画も可能になります。
内野22ゲートと外野25ゲートのエントランスに大型LEDディスプレイを設置 東京ドームのメインゲートである22ゲートでは、大型LEDディスプレイ3面(横6.5m×縦3mが1面と、横5m×縦3mが2面)に加えて、16本の天井LEDディスプレイを設置します。ジャイアンツファンの専用ゲートである25ゲートでは、横9m×縦2.5mの大型ディスプレイでさまざまなジャイアンツコンテンツを表現します。
図3:22ゲート内エントランス イメージ図

図3:22ゲート内エントランス イメージ図

 今回のリニューアルでは、各入場ゲートのデザインも一新します。中でも25ゲートは、ジャイアンツファンの観戦客がライトスタンドへと入場するゲートです。そこで、ジャイアンツカラーを施し、中央にプライマリーマークを装飾して、象徴的なゲートへと刷新します。
*その他のゲートのデザインは後日詳細を発表予定。  なお、内コンコースおよび各ゲートなどのデザイン監修は、三井デザインテックが実施します。
図4:25ゲート外観 イメージ図

図4:25ゲート外観 イメージ図

3. 観客席の新設、増設およびプレミアムラウンジのフルリニューアル
 ニューノーマルな時代の中で、野球の観戦スタイルも多様化しています。今回のリニューアルでは、グループ席の新設や既存エリアの拡張、改装を実施します。概要は、以下の表の通りです。
観客席の新設 場内の4か所に、定員数や専有面積、付帯設備などを変えたグループ席を400席新設します。
① THE 3rd PLATINUM BOX(ザ サード プラチナ ボックス):白を基調としたL字のソファを1階席3塁側スタンド内に配置し、くつろぎながら観戦ができる4人定員のグループ席です。
② SKY TERRACE(スカイ テラス):2階席の前方ブロックに位置する、クッション性のある座面が付いたベンチソファタイプのグループ席です。
③ MASU CABANA(マス カバナ):2階コンコースMASU SUITE(マススイート)の並びに位置する半個室のグループ席です。
④ CRAFT COUNTER(クラフト カウンター):2階コンコースの外野寄りに位置する、ペア観戦用のカウンター席です。
観客席エリアの拡充 ① 車椅子席エリアの増設および付添者用座席のリニューアル
 これまで22席分(1塁側:12席、3塁側:10席)を確保していた車椅子席のエリアを、今回のリニューアルで30席分(1塁側:15席、3塁側:15席)に増やします。これは、グラウンドが見渡せる両翼寄りに移設します。付添者用の座席は、ジャイアンツのロゴが入ったオリジナル背面で、クッション性能も向上した座席にリニューアルします。
② ダイヤモンドボックスの増設
 バックネット裏に位置する最高ランクのシート「ダイヤモンドボックス」を、現在の160席から290席に増設します。また、「チャンピオンシート」の設定位置を変更し、座席数を321席から367席に増設するなど、バックネット裏後方エリアを一体的に刷新します。
③ マススイートの増設
 2020年に、日本の伝統的なグループ観客席である「枡席」をコンセプトに設置した「マススイート」を、好評につき1塁側に2部屋増設します。
④ JCBバックスクリーンクラブ 専用ラウンジの改装
 「JCBバックスクリーンクラブ」では、ライト側のラウンジのみグラウンドが見渡せる仕様となっていましたが、レフト側のラウンジもグラウンドに面した壁をガラス張りに改装します。
プレミアムラウンジのフルリニューアル
3階エリアに位置するバルコニー席「プレミアムラウンジ」を、誕生した2008年以来初めて大幅にリニューアルします。リニューアルに合わせ、ビュッフェメニューも刷新します。なお、ビュッフェ券の販売価格は料金改定を行い、当日販売を3,700円とします。
※現行料金:2,700円(税込、当日料金) ⇒ 新料金:3,700円(同)
4. スイートエリアを「THE SUITE TOKYO」としてフルリニューアル
 グラウンドを一望できるバックネット裏3階エリアに位置する全28室のスイート倶楽部を、新たに「THE SUITE TOKYO(ザ スイート トウキョウ)」としてリニューアルします。 5. 場内の完全キャッシュレス化と顔認証技術の本格導入
 東京ドーム場内の全売店、客席販売、場内チケットカウンターなどにおいて、2022年3月から「完全キャッシュレス化」を実施します。東京ドームでは2020年からの3カ年計画で、その環境整備と周知に取り組んできました。今回、いよいよ「脱現金」へとシフトします。感染対策の強化のほか、売店などでの待ち時間の短縮も期待できます。  完全キャッシュレス化は、巨人戦のほか、東京ドームで開催される他のスポーツ・音楽などの催しでも適用されます。キャッシュレス決済により、快適でスムーズなお買い物やスタジアム観戦を楽しむことが可能です。なお、場内には「DXサポートデスク」を設置します。キャッシュレスを初めて利用する観客などに向け、丁寧なサポートも行っていきます。  完全キャッシュレス化の対象は以下になります。 ・売店(飲食・グッズ)
・客席販売
・場内チケットカウンター
・自動販売機
・コインロッカー ほか  キャッシュレス決済方法としては、以下が用意されています。
*より詳細な情報は後日発表します。 ・クレジット決済(VISA / Mastercard / JCB / American Express /DISCOVER / Diners Club / 銀聯) ※ NFC対応カード(タッチ決済ほか)も利用可
・電子マネー:非接触IC決済(交通系IC / nanaco / iD / QUICPay / Edy / waon)
・電子マネー:コード決済(PayPay / d払い / 楽天ペイ / LINE Pay / Alipay / WeChat Pay ほか)  観客へのサポート体制として、以下が挙げられています。 ・場内に設置する「DXサポートデスク」において、初めてキャッシュレスを利用する顧客へのフォローや、キャッシュレスに関するさまざまな問い合わせに対応します。
・電子マネーへの入金(チャージ)には、場内に設置のnanacoチャージ機、交通系ICチャージ機、セブン銀行ATMを利用できます。また、来場前に電子マネーへのチャージをしてもらえるよう、協力の呼びかけを行います。  また、2022年シーズンから、東京ドーム巨人戦における入場(チェックイン)や、場内飲食物販店舗での決済方法として、事前登録された顔画像による認証を、一部の入場レーンおよび店舗において本格導入します。  東京ドームでは2021年3月から、パナソニック システムソリューションズ ジャパンとともに、東京ドームでの関係者を対象とした顔認証の入場、および一般来場者(希望者のみ)を対象とした顔認証の決済についての実証実験を行ってきました。その結果などをもとに、より快適でスムーズな顔認証サービスを実現するべく準備を進めています。
*顔画像の登録方法など詳細は後日、読売ジャイアンツ公式ウェブサイトなどで発表します。 6. 演出アトラクションや場内各種サービスなどの刷新(今後、順次発表を予定)
 上記に加え、東京ドームにおける2022 シーズンからの読売ジャイアンツ公式戦では、以下の項目などについても刷新する予定です。 ・上記のメイン・リボンビジョンやDMX連動による照明制御システムを活用した、新たな演出および試合前やイニング間のアトラクションのリニューアル。球場内でのサウンド体験の向上
・場内外飲食店舗の一部リニューアルおよび新定番メニューの開発、選手コラボメニューの充実化
・場内サービススタッフ(係員の新たな名称)によるお客様サービスの向上策の導入
・場内サービススタッフのモチベーションアップ施策の導入(従業員満足度(ES)の向上) 7. 「世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアム」を目指す取り組みの継続
 東京ドームにおける新型コロナウイルス感染防止対策とDXについては、今後も、ハード・ソフト両面で継続的に施策を行っていきます。そして「世界トップレベルの清潔・安全・快適なスタジアム」を追求していきます。また環境配慮として、場内における各種ごみの総量削減およびリサイクル率の向上にも努めます。  2020年から取り組んでいる、新型コロナウイルス感染予防のための施策も、引き続き対策を徹底していきます。また、東京ドームは、今回のスタジアムでの大規模な改修を手始めに、東京ドームシティ全体をより魅力ある街へと変貌させるべく、今後も継続的な整備、リニューアルに取り組んでいきます。

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