東日本旅客鉄道株式会社は、駅におけるサービス高度化に向けて「みどりの窓口AI対応サービス(仮称)」の実証実験を2026年7月に立川駅と大宮駅で実施します。生成AIが利用区間や日時、人数、割引有無などの要望を整理し、係員の業務を補完・支援します。将来的には生成AIを搭載した機器が要望確認から発券まで一体的に担う構想で、係員は人ならではの判断やきめ細かなサポートが必要な案内に注力します。あわせて、2027年春からは近距離乗車券を磁気券からQR乗車券へ段階的に置き換え、磁気乗車券を廃止していきます。QR化により券売機スペースの整理統合や環境負荷の軽減を図り、駅空間のリデザインを進めます。
生成AIで実現する新たな窓口体験と実証の狙い
本実証は、グループ経営ビジョン「勇翔2034」のもとで進める駅サービス高度化の取り組みです。鉄道特有の多様なきっぷ制度に対応しながら、要望の整理と確認を生成AIが支援し、きっぷ購入を分かりやすくスムーズにすることを目的としています。多言語での対話や案内にも対応し、年齢や窓口利用経験に関わらず安心して利用できる顧客体験を目指します。駅という騒音の多い環境で、音声対話の聞き取り精度や対話の安定性、利用しやすさなどを評価します。スムーズな案内と待ち時間の短縮効果についても検証し、段階的なサービス実装に向けた課題抽出を行います。実証では生成AIは要望整理までを担い、発券は窓口係員が対応します。
立川駅と大宮駅での実証実験の概要
実施駅は立川駅と大宮駅のみどりの窓口で、それぞれ2台程度の実証機を設置予定です。日程は立川駅が7月20日から22日まで、大宮駅が7月23日から25日までを予定しています。みどりの窓口できっぷを購入する人に対し、実証スタッフが個別に声掛けし協力を依頼します。見学のみを目的とした来店は遠慮するよう案内されています。評価項目は、音声対話による要望の聞き取り精度と実用性、駅環境での対話安定性、心理的抵抗感や利用しやすさを含む顧客体験です。取得データは個人情報保護に配慮して適切に管理します。開発は日本電気株式会社とGen-AX株式会社が担い、Gen-AXの開発はソフトバンク株式会社が支援します。
近距離乗車券のQR化で利便性と環境対応を両立
2027年春から、近距離乗車券は磁気券からQR乗車券への置き換えを開始し、磁気乗車券は廃止されます。QRのかざしやすさを考慮して券面サイズは現行の小型券から大型券へ変更されます。QR乗車券は裏面の磁気層を無くすことで、使用後のリサイクル処理に伴う環境負荷の軽減につながります。今後はQR化や交通系ICカードによるモバイルシフトとチケットレス化の拡大により、券売機スペースを整理統合します。空いたスペースを新たな価値を生むエリアとして再設計することで、駅のリデザインを進めます。これらの取り組みは、サービスの分かりやすさ向上と混雑緩和の両立を目指すものです。
駅の変革に向けた今後の展望
生成AIの導入は、要望確認から発券までの一体化を見据えた段階的取り組みです。将来はAI搭載機器が一連の手続きを担うことで、人がきっぷを発売するのが当たり前という前提を超え、係員は判断や配慮が必要な場面に注力できる体制を整えます。QR化とモバイルシフトの拡大は、券売機配置の最適化と駅空間の有効活用を後押しします。東日本旅客鉄道株式会社は、技術イノベーションにより安全でスムーズな駅体験を実現し、サービス価値の最大化を図る方針です。各取り組みは段階的に進められ、実証結果を踏まえて実装範囲を検討していく計画です。
詳しくは「東日本旅客鉄道株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















