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DXは電子化やクラウド化などと混同されがち? スキルアップAI調べ

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AI人材の教育事業などを手掛けるスキルアップAIは2021年11月16日、DXに関するアンケート調査の実施結果を発表しました。調査は記述式で行われ、テキスト分析のための「テキストマイニング」の方法で結果が分析されました。その結果、DXの中心イメージは「デジタル」と「業務」であり、そこに「AI」の活用も結び付けられていることが分かりました。一方、DXと電子化・クラウド化・RPAが混同されている可能性も推察されました。同社では、「DXとは何か」について理解を浸透させていくことが大切であるとしています。

 アンケート調査は、2021年8月にオンラインで実施されました。以下の方法で回答者を募りました。有効回答数は131件でした。 ・スキルアップAIの講座やイベントの参加者コミュニティ
・日本ディープラーニング協会や日本マイクロソフトのコミュニティ
・SNS  アンケートでは、「DXと聞いて思い浮かべること」を3つ、自由記述で回答してもらいました。このアンケートは、DXがどのようにイメージされているかを調べるためのものです。  分析には、テキスト型データを統計的に分析するためのツールである「KH Coder」が活用されました。KH Coderは、立命館大学 産業社会学部の樋口耕一教授(2021年11月現在)が開発したフリーソフトウェアです。「計量テキスト分析」または「テキストマイニング」と呼ばれる方法に対応するもので、アンケートの自由記述などのテキスト調査データを分析できます。  KH Coderでは、今回の分析でも用いられた「共起ネットワーク」などの図解によって、テキスト型(文章型)データを分析できます。文章内で、共通する(似ている)単語が出現することを「共起関係」と呼びます。KH Coderの「共起ネットワーク」は、抽出語(またはコード)を用いて、出現パターンの似通ったもの(共起関係)を線で結んだ図(ネットワーク)を描く機能です。  その共起ネットワークにより、今回の調査結果としてまず、以下のことが導き出されました。 ・DXのイメージは「業務」と「デジタル」が中心、AIの認識も(図1)
図1:KHCoder 共起ネットワーク 中心性(媒介)...

図1:KHCoder 共起ネットワーク 中心性(媒介)、Jaccard係数

 図1は、抽出された語の「媒介中心性」を表しています。媒介中心性とは、共起ネットワーク内の各ノード(抽出語)の重要度を評価する指標の1つです。ノード同士をつなぐ最短経路上に位置するノードを指標として高く評価します。図1では、中心性が高い順に青→緑→黄色で示されています。  図1からは、以下のことが読み取れます。 ・「業務」と「デジタル」の中心性が高くなっており、ビジネス文脈の話題であること、デジタルと結び付いていること
・次いで「AI」が高くなっていることから、DXとAIの結び付きも良く理解されていること  また同調査から、次の結果も導き出されました。 ・単なる電子化、クラウド化、RPAと混同している層も一定数(図2)
図2:KHCoder 共起ネットワーク サブグラフ検出...

図2:KHCoder 共起ネットワーク サブグラフ検出(modularity)、Jaccard係数

 図2では、ノード同士のリンクの強さが強い集合ごとに、色分けをして示されています。色ごとに、以下のように捉えることができます。 ・赤色は、デジタルによる業務の改善や改革に関するグループ
・緑色は、ビジネスにおけるイノベーションや変革に関するグループ
・紫色は、データとAIの活用に関するグループ  これらは、図1の分析結果と同様に結論付けることができそうです。一方、黄色については、電子化やクラウド化、RPA(Robotic Process Automation)による自動化などに関するグループと捉えることができます。そのことから同社では、従来の電子化やクラウド化、RPAといった文脈とDXの文脈が混同されている側面もあると考察しています。そして、「DXとは何か」について理解を浸透させていくことが大切であるとしています。

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