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NTTデータ、建物・道路単位でリアルタイムの人出を分析予測するサービス

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NTTデータは2021年10月26日、人流をリアルタイムに予測するサービス「BizXaaS MaP人流分析」の提供を開始すると発表しました。2021年11月1日より提供を開始します。同サービスはピンポイントの人数推計や、リアルタイムの人流とその予測を可能にします。例えば、飲食業では、街の人出を即座に把握して、仕込み量の調整や、閉店間際の割引率を算出、廃棄食材の削減を実現するなどの効果を期待できます。同社は同サービスを通じて小売り・流通企業での需要予測、不動産のポテンシャル評価、街づくりや都市交通への活用など、各種業務の変化を支援していきます。

 リモートワークの増加など、コロナ禍での人々の行動変容もあり、消費行動が変化する中、需要予測はより困難になっています。需要予測などの適切な施策を行うには、従来の統計データの活用だけでなく、リアルタイムな状況を、店舗や施設ごとに正しく知る必要があります。  NTTデータは今回、これまでデジタルマーケティングなどの分野で連携実績があるunerryと連携します。unerryは、リアル行動データプラットフォームの「Beacon Bank」を提供しています。人流ビッグデータをAIで解析して、リアル行動データの分析・可視化などを行っています。  NTTデータはunerryなどと連携し、リアルタイム人口データを加味したピンポイント人流分析・予測サービス「BizXaaS MaP 人流分析」の提供を開始します。  「BizXaaS MaP人流分析」サービスは、NTTデータが提供する「BizXaaS MaP」シリーズの新サービスです。BizXaaS MaPは、位置情報コンテンツと業務アプリケーションをワンストップで提供する地図配信サービスです。  「BizXaaS MaP人流分析」サービスを利用すると、以下のようなことが可能になります。 ・人口分布統計、GPSなどの複数の人流プローブデータ、地理空間データを複合的に処理
・建物単位、道路単位での人流を分析、予測  それにより、特定エリアの絶対人数推計や、性・年代・居住地割合などの属性、今後の人流予測をリアルタイムに把握することができるようになります。  「BizXaaS MaP人流分析」は、以下のようなデータが活用されています。 ・NTTグループのNTTドコモなどが2021年1月から提供している「モバイル空間統計 国内人口分布統計(リアルタイム版)」のデータ
・複数の人流プローブデータ(unerry「Beacon Bank」リアルタイムGPSプローブ、カープローブなど)
・各種地理空間データ  これらを複合的に処理することにより、分析対象施設周辺の建物単位、そしてリアルタイムで高精度な人流分析・予測機能を提供するというものです。
図1:「BizXaaS MaP人流分析」サービスの概要

図1:「BizXaaS MaP人流分析」サービスの概要

 なお、「モバイル空間統計 国内人口分布統計(リアルタイム版)」とは、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口の統計情報です。約1時間前の人口分布を、500mメッシュ単位で属性(性・年代と居住地)ごとに集計したものです。集団の人数のみを表す人口統計情報であるため、モバイル空間統計から個人を特定することはできません。  「BizXaaS MaP人流分析」サービスの特徴として、以下が挙げられています。 ●ピンポイント人数推計
 モバイル空間統計のリアルタイム版の人口統計をもとに、BizXaaS MaPの推計技術と、人流プローブデータが利用されています。それにより、これまで人流プローブデータだけでは実現できなかった、高精度なピンポイント推計が可能になっています。その結果、建物単位、道路や歩道単位の人流が、高精度な絶対人数で把握可能になります。 ●リアルタイム人流&予測
 BizXaaS MaPのビッグデータ処理技術に加え、NTTデータの研究開発、システム技術部門およびNTT研究所などの研究成果を活用したAI予測技術・並列分散処理ノウハウが使われています。それにより、リアルタイムな人流現況把握と、それら人流現況を加味した将来人流予測が可能になっています。従来の統計データを使った予測では実現できなかった、リアルタイムな人流変化を反映した高精度な需要予測が可能になります。 ●既存システムとの柔軟な連携
 同サービスは、API連携によって既存システムに追加することが可能です。また、導入支援サービスも用意し、各企業が持つ店舗・施設実績データも組み合わせた分析機能を提供できるようになります。そして迅速な業務活用を支援します。
図2:「BizXaaS MaP人流分析」サービスの活用...

図2:「BizXaaS MaP人流分析」サービスの活用イメージ

 ユースケース例としては、以下が挙げられています。
小売り・流通企業 従来は過去の売上・来客数と統計データを基に需要・来客数予測をしていました。それに対し、店舗周辺のリアルタイム人流データを用いることで、人々の行動変容による人口変動を即座に捉えます。そして、発注・在庫管理・シフト管理の精度向上を目指します。それによりフードロス削減、機会損失削減の問題を解決可能にします。
飲食店 リアルタイムの街の人出を把握することで、仕込み量の調整や、閉店間際の割引率の最適化が可能となります。またフードロスの削減が可能になります。
メーカー/卸などの各種営業 営業先の店舗・施設周辺状況を把握できます。それにより、リモートワークが主流となった人々の行動変容や街の変化に合わせた品揃えや販促施策を提案するなどの営業活動が実現可能です。
自治体・イベント 施設利用者数や周辺のリアルタイム人流データ、人流予測などを組み合わせて利用者に情報提供できます。それにより、イベントでの密の回避や、災害時の適切な避難誘導を支援します。
都市交通 都市交通の需要予測、都市シミュレーションを実現可能にします。公共交通の運行ルート検討や、オンデマンド交通の最適配車などで、エネルギー効率の高い低炭素社会を目指せます。
スマートシティ 今後のまちづくりに必要な都市活動の効率性の考慮、市民生活の質の向上のために、ピンポイント人流分析、人流予測を活用可能です。まちの経済活動を理解し、人々の生活に寄り添った持続可能なまちづくりを支援します。
 なお、同サービスで提供する人流分析技術の先行PoC(実証実験)採用例として、以下が挙げられています。 ・豊洲スマートシティ推進協議会:先進的なまちづくり・エリアマネジメントに向け、豊洲のデータを可視化し考察する「バーチャル豊洲ビューアー」の取り組みの中で、建物・道路の「ピンポイント人数推計」技術が利用されています。
・ヤマト運輸:荷量実績と人流分析により、荷物取扱量のポテンシャルを予測する実証実験の中で、建物・特定エリアの「ピンポイント人数推計」技術が利用されています。  今後NTTデータでは、社内の地理空間情報に関するノウハウを統合していきます。内閣府が提唱するSociety 5.0の社会を支える基盤として、NTTグループで取り組む「4Dデジタル基盤」と連携した地理空間情報を提供するサービスを構築します。そして、気象データや人流センサーを活用した人流分析や、あらゆるビジネスに向けニューノーマル時代に適応した高度な分析・予測機能を提供していきます。それにより、エネルギー利用効率の向上、フードロス削減など、都市が抱えるさまざまな課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

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