秒速5km超で小惑星のすぐそばを通過する一発勝負。「はやぶさ2」が成し遂げた世界最接近の裏では、直前まで計画を磨き続ける技術者たちの挑戦がありました。
最接近1時間前まで調整、数百パターンの異常にも備えた
NECは2026年9月10日、JAXAとともに開発した小惑星探査機「はやぶさ2」による、小惑星「トリフネ」フライバイ探査の舞台裏を公開しました。
「はやぶさ2」は7月5日、トリフネの中心から約744m、表面から約400mまで接近。秒速5kmを超える速度で通過し、太陽系天体のフライバイ探査として世界最接近を記録しました。
難しかったのが、一瞬の接近で観測するための機体制御です。カメラは機体に固定されているため、トリフネを視野に捉え続けるには、適切なタイミングで探査機自体の姿勢を変える必要がありました。
姿勢変更や撮影などのコマンドは、実行時刻が1秒でも重なるとエラーにつながります。NECのメンバーは通信品質やデータ容量、機体の向きなどを考慮して計画を調整。最終コマンドを探査機へ送ったのは、最接近のわずか1時間前でした。
さらに、カメラの不具合などを想定したリカバリー手順を数百パターン用意しました。結果として「はやぶさ2」はトリフネを捉え、フライバイに成功しました。
今回の航法誘導の成果は、将来、地球へ衝突する可能性がある小惑星への対応を考える「プラネタリーディフェンス」にもつながります。
見解として、今回の成果から見えるのは、高度な技術だけでなく、変化に合わせて直前まで計画を修正し、失敗も想定して準備する重要性です。宇宙開発に限らず、前例のないプロジェクトを進める際のリスク管理にも通じる事例といえそうです。
詳しくは「NEC」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















