組織改革

    2022.05.27

    DXプロジェクト始動時の注意点、抵抗勢力との衝突を想定した対策を

    プロジェクトはスムーズに進めるべき――。DXを進めるデジタル推進プロジェクトも例外ではありません。プロジェクトを円滑に進めるには、起こり得るトラブルを事前に想定し、対処法を準備しておくことが不可欠です。ではデジタル推進プロジェクトで起こり得るトラブルとは。ここではプロジェクト始動前に考えておくこと、想定されるトラブルと対処法を整理します。なお、本連載はプレジデント社「成功=ヒト×DX」の内容をもとに編集しております。

    デジタル推進プロジェクトの始動

     前回前々回とDX推進プロジェクトを構築する上で必要な点に触れてきました。では始動させるにあたり、何に注意すべきか。まずは何より、DXを進める目的と目標を明確することが大切です。

    ・参考:前回の記事「優秀なメンバーを集めるだけでは不十分、DXを進める体制構築で最も大切な6つの極意」
    ・参考:前々回の記事「DXの成否を決める「推進体制」、構築に必要な3つのポイント」


     目的とは、プロジェクトが目指すべき姿で、言葉や絵で表せるものです。例えば、「顧客はリアルでもネットでも顧客の都合で購買できるようにする」「社内を完全ペーパーレス化し、連絡目的の会議を撤廃する」といった具合です。誰でもイメージしやすい言葉で表現することが大切です。

     目標とは、目指すべき具体的な指標で、数値で表せるものです。例えば、「2年後には売上130%、売上構成のうち20%はネットでの売上を達成する」「1年後には販管費30%削減」などです。明確な数値を定めることが大切です。

     目的と目標の両方を設定することが欠かせません。目標の数値だけを設定すると、プロジェクトは息苦しいものになります。目的だけを設定すると、プロジェクトが空想で終わりかねません。目的、目標ともプロジェクト内で徹底的に議論して設定することが大切です。本音で意見をぶつけ合い、未来を語り、現状を悩み、目指すべき会社の姿を描くべきです。

    プロジェクト最大の役割は変革

     プロジェクトの最大の役割は「変革」です。そのためプロジェクトメンバーは、変革の考え方である「変革のプロセス」を理解しておくべきです。ドイツの社会心理学者クルト・レヴィンによると、変革のプロセスには3つのステップがあります。
    解凍(揺さぶりをかけ過去を忘れさせる)

    変革(向かうべき方向や考えを共有・実行する)

    再凍結(共有された方向に向かい進み続ける)

     最初のステップは「解凍」です。既存の価値観や伝統、方法論などの組織文化を破壊し、新たな組織文化をつくる準備をするフェーズです。現状維持を願う抑止力や抵抗が強く働くため、これらの対処に気を付けることが大切です。

     次のステップは「変革」です。「解凍」のステップで変革の必要性が社内で共有されると、新たな行動や考え方の導入、改革プランの実行などが率先垂範で実行されていきます。大事なのは、変革のモチベーションが全社的に高いうちに「変革」ステップを進めることです。モチベーションが下がるとせっかくの変革のチャンスを逃しかねません。

     最後のステップは「再凍結」です。ここで言う再凍結とは、全員が変革に向かって進み出したことを習慣化させることをいいます。従業員の変革意識を定着させるとともに、継続的な改善サイクルの確立も図ります。

     プロジェクトではこのサイクルを何度も回し続けます。これにより企業は変革します。
    next〈 2 / 2 〉:抵抗勢力と折り合いをつける2つの方法
    20 件
    〈 1 / 2 〉

    Related

    組織改革