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コラム

お役所仕事がAIで激変。奈良市の「AI課」が1年で達成した驚きのコストカット術?

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奈良市は令和7年4月にAI活用推進課を設置し、初年度の成果を公表しました。急速に進化するAIを業務に取り込み、効率化と市民サービス向上を同時に進めています。全庁調査や各課ヒアリングでニーズを把握し、生成AI利活用ガイドラインを計3回改訂しました。全職員が汎用的に使える生成AIサービスを導入し、安全で適切な利用環境を整備しています。令和8年度からは行革機能を統合しAI・行革推進課に再編しました。人口減少や多様化するニーズに対し、持続可能な行政経営を目指しています。

生成AIの活用で令和7年度下半期に約17,200時間の業務時間を削減しました。令和8年3月時点で利用可能職員1,843人のうち572人が利用し、約10億文字分の利用実績があります。導入サービスの計測で約4,300時間の削減も確認されています。会議録音からの議事録作成、制度要綱に基づく説明資料や想定問答の作成、国通知の要点整理などで効果を発揮しています。業務の質と速度を両立し、定型的な知的作業の負担を下げました。成果はサービスの計測値に基づき、適用範囲を明確化して評価されています。

人材育成では外部機関連携、アドバイザー招聘、ハンズオン研修や管理職向け研修を実施しました。職員ポータルで活用術を随時共有し、各課への出張研修も行っています。管理職向け研修後、課長級の生成AIサービス利用率は38%から74%へと36ポイント上昇しました。知見の迅速な共有が利用定着を後押ししています。リテラシー向上はセキュリティの確保にも資し、全庁展開の基盤となりました。継続的な学習と指針改訂で、活用領域の拡大に備えています。

市民向けには市公式ホームページのAIチャットボットを令和7年8月7日に開始し、年間のべ約2万2千人が利用、約4万6千件の質問に対応しました。窓口時間外の利便性が高まりました。電話業務では令和8年3月16日にZoom Phoneを導入し、本庁と西部出張所の1,030台を刷新しました。外線可能980台、内線のみ50台を配備し、端末でAI通話要約を確認できます。コールセンターの入札に先行してシステム入札を行い、受託事業者の入札価格が月額6,204,000円から1,969,000円に低減し、年額で約5,000万円を削減しました。災害時にも場所を選ばず業務継続が可能になっています。

相談と子ども支援でもAI活用を進めました。LINE上の傾聴型AIは子育て向け「おやこよりそいチャット奈良」を令和7年5月13日から令和8年3月31日、シニア向け「シニアよりそいAI AIちゃん」を令和7年12月4日から令和8年3月31日に実施しました。AIと人のハイブリッドで孤独感の軽減や公的支援への橋渡しを図ります。児童相談業務では専用タブレットで過去記録の即時参照や面談記録の要約が可能になります。児童相談所の一時保護所ではシフト作成をAIで最適化し、1回あたり9時間から1時間、年間117時間から13時間へ短縮します。個人情報を扱う業務でのAI利用に向けては、自治体専用ローカルや閉域網、ガバメントクラウドの活用を検証中で、安全かつ効率的な基盤整備を進めています。今後は窓口のワンストップ案内、定型審査の一括処理、ライフイベント予測に基づくプッシュ型通知の実装を見据えています。

詳しくは「奈良市」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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