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コラム

マイルって本当に得してる?ANA・JALの制度変遷から読み解く「価値」の変化

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「マイルって結局、何がお得なの?」飛行機に乗ると貯まる。旅行で使える。そんなイメージはあるものの、「実際にどう使えば得なのか分からない」と感じている人も多いのではないでしょうか。実は、この分かりにくさこそが、いまのマイルの本質です。かつてマイルは、非常にシンプルな仕組みでした。飛行機に乗れば貯まり、それを特典航空券に交換する。いわば「移動に対する報酬」として機能していたのです。代表的なプログラムである全日本空輸(ANA)の「ANAマイレージクラブ」、日本航空(JAL)の「JALマイレージバンク」も、この構造の中で発展してきました。しかし現在、この仕組みは大きく変わり始めています。

マイルは「飛行のご褒美」ではない

まず押さえておきたいのは、マイルが「飛行だけのものではなくなった」という点です。クレジットカードの利用や日常の買い物、スマホ決済などを通じて、マイルは日常生活の中で自然に貯まる仕組みへと広がっています。つまり、マイルは「たまに貯まるもの」から「普段の生活で差がつくもの」へと変わりました。この変化に気づいているかどうかで、体験は大きく変わります。

では、何がお得なのか?

ここが最も重要なポイントです。マイルの「お得さ」は、実は昔と今で意味が変わっています。かつてはシンプルでした。「飛行機に乗る → マイルが貯まる → 無料で旅行できる。」つまり、「無料で乗れる=お得」という分かりやすい価値でした。しかし現在は違います。マイルは、使い方によって価値が大きく変わる仕組みになっています。

例えば日本航空では、特典航空券に必要なマイル数が、日程や空席状況に応じて変動します。同じ区間でも、空いているときは少ないマイルで利用でき、混雑しているときは多くのマイルが必要になります。一方で、全日本空輸では、区間やシーズンごとに必要マイル数が設定されたチャートを基本としています。つまり、どちらの仕組みにおいても共通しているのは、マイルは「貯めれば同じ価値になるもの」ではなく、「どう使うかで価値が変わるもの」になっているという点です。

「貯める」より「使い方」が重要

さらに大きな変化があります。それは、マイルがより柔軟に使えるようになっていることです。日常の支払いに充当できたり、電子マネーや他のポイントに交換できたりと、利用シーンは広がっています。この変化によって、「たくさん貯めること」よりも「どう使うか」が重要な時代になりました。

ここまで整理した内容は、制度として確認されている事実です。ただし、この変化が何を意味するのかは解釈の領域に入ります。

マイルは「お得制度」

結論から言うと、マイルは単なる「お得に旅行するための仕組み」ではなくなっています。現在のマイルは、ユーザーの体験そのものを設計する仕組みへと変わりつつあります。どのカードを使うのか。どの店で支払うのか。どのタイミングで予約するのか。こうした日々の選択によって、得られる体験が変わるようになっています。つまりマイルは、「結果としてもらうもの」ではなく、行動を変えるための仕組みへと進化しています。

なぜ「分かりにくくなった」のでしょうか

最初の疑問に戻ります。なぜマイルは分かりにくくなったのでしょうか。答えはシンプルです。「シンプルなお得」ではなくなったからです。かつては「無料で乗れる」という分かりやすい価値でした。しかし現在は、日常で貯まる。価値が変動する。使い道が広がる。といったように、複数の要素が組み合わさった仕組みになっています。つまりマイルは、「単なるポイント」ではなく、設計された仕組みへと変わっています。

マイルの本質は「生活の設計」

この変化を踏まえると、マイルはもはや、単なる旅行のための手段ではありません。日常の消費から移動体験までを横断し、生活の中で得を最大化するための仕組みへと進化しています。そして今後は、AIがユーザーの状況を理解し、最適な移動や支払い方法を提案するようになります。マイルの使い方も含めて、体験全体が最適化されていくでしょう。

マイルの価値は、「どれだけ貯めたか」では決まりません。「どう使ったか」で決まります。この視点を持ったとき、マイルは単なるポイントではなく、自分の生活を設計するツールへと変わるのではないでしょうか。

レポート/DXマガジン編集部 小松

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