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コラム

現金を持たない人はどこまで増えたのか キャッシュレス比率58%時代へ

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日本で現金離れが進んでいます。経済産業省は2026年3月、2025年のキャッシュレス決済比率が58.0%に達したと発表しました。政府が掲げるキャッシュレス推進目標に向けて、利用率は年々上昇しています。背景には、QRコード決済やスマホ決済の普及があります。

PayPay7000万人時代、決済アプリは生活インフラへ

中でも存在感を強めているのがPayPayです。PayPayは2025年7月に登録ユーザー数7000万人を突破し、2026年3月時点では7300万人規模まで拡大しています。

現在はコンビニや飲食店だけでなく、自治体キャンペーンや商品券事業、税金納付などにもPayPayが活用されるケースが広がっています。PayPayは自治体連携施策として、これまで延べ400自治体以上、1000を超えるキャンペーンを実施してきました。かつて日本は“現金大国”とも呼ばれていました。しかし現在は、スマホ1台で決済・送金・ポイント管理・銀行連携などを利用できる環境が広がっています。

PayPayでは、本人確認済みユーザーが4000万人を突破しており、銀行口座との接続や送金機能の利用も拡大しています。

キャッシュレス競争は“経済圏競争”へ

キャッシュレス決済の広がりは、単なる「支払い方法の変化」にとどまりません。通信会社や金融機関、小売企業などは、決済を入り口に“経済圏”を構築しています。楽天は楽天ポイント、NTTドコモはdポイント、ソフトバンク・LINEヤフーはPayPayを軸に、決済・通信・EC・金融サービスを横断的に連携させています。

現在のキャッシュレス競争は、「どのQRコードを使うか」という話だけではなく、“どの経済圏で生活するか”という競争へ広がりつつあります。

“お金を払っている感覚”が変わり始めている

この変化で特に大きいのは、「お金を払っている感覚」が変わり始めていることです。現金時代は、財布からお金を出すことで支出を実感していました。しかし現在は、スマホ決済、サブスク、自動引き落とし、後払い決済など、“見えない支払い”が増えています。

PayPay残高で支払う、サブスクが自動更新される、ポイントで支払う、給与をデジタルマネーで受け取るなど、従来の「現金を使う感覚」とは異なる消費行動が広がっています。

若年層では“財布を持たない”行動も広がる

特に若年層の一部では、「現金を持たないこと」が以前ほど特別ではなくなりつつあります。友人同士の割り勘をPayPay送金で済ませるケースや、財布を持たずに外出するケースも見られます。PayPay自身も、送金機能の利用拡大を進めています。

一方で、キャッシュレス化が進むほど、“お金の実感”が薄れやすいという側面もあります。サブスク疲れや使途不明の少額課金など、「気づかないうちに支出が積み上がる」問題も広がっています。

キャッシュレス化は“生活データ競争”でもある

キャッシュレス化とは、単なる利便性向上ではなく、日本人の金融行動そのものを変える社会変化ともいえます。さらに重要なのは、決済データそのものが“生活データ”になりつつあることです。

どこで、何を、いつ買ったのか。どのサービスを使い、どの店舗へ行き、どの経済圏を利用しているのか。キャッシュレス化が進むほど、企業側は顧客理解やマーケティングに活用できるデータを蓄積しやすくなります。だからこそ、PayPay・楽天・dポイント各社は、単なる決済競争ではなく、“生活導線”を巡る競争を加速させているのかもしれません。

レポート/DXマガジン編集部 小松

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