オンライン動画サービスの利用が生活インフラとして定着しています。NTTドコモ モバイル社会研究所が2026年2月に実施した全国調査では、無料・有料・ライブのいずれかを月1回以上利用する人の割合が83%に達しました。15歳から79歳の幅広い年代で高水準となり、特に若年層では9割超とされています。利用の拡大にはスマートフォン普及の進展が背景にあり、同研究所の別調査ではスマートフォン比率が98.3%となっています。直近では全体の伸びが緩やかになり横ばい傾向もみられますが、日常的な情報接触やエンタメ消費の主要経路としての位置づけは揺らいでいません。企業の情報発信やコンテンツ流通において、オンライン動画は避けて通れないチャネルとなりました。
年代別の推移を見ると、若年層は高止まりし、中年層でも8割超に到達しています。注目はシニア層で、この10年で利用率が2倍となり7割を超えました。インターネットやスマートフォンの利用拡大がシニア層の視聴機会を押し上げたとされています。若年層中心とみられがちな領域ですが、利用者構成比では中年層やシニア層の存在感が大きい点も示されています。利用者の広がりは、家族内での視聴共有やコミュニケーションの接点にも影響し、多世代での動画接触が一般化していることを示唆します。キャンペーンや番組編成を考える際には、年代別の浸透度と同時に、実数ベースのボリュームを踏まえた設計が重要になります。
サービス区分別の推移では、無料動画が長期にわたり高い利用率を維持する一方、有料動画サービスがこの10年で大きく拡大しました。若年層では2018年以降の伸びが顕著で、現在は約6割が有料サービスを利用しています。中年層でも拡大が続き、2026年には4割半ばに達しました。シニア層でも有料の利用が3割超へと伸長し、無料の利用増加とあわせて全体の底上げが進んでいます。ライブ動画は調査開始以降、一定の利用が見られるものの、無料や有料と比べ利用率は低い傾向です。視聴行動はオンデマンド中心に成熟しながらも、ライブならではの参加性に一定の支持がある姿がうかがえます。
個別サービスの利用状況では、無料・有料・ライブの各カテゴリで特定のサービスに利用が集中しています。無料動画ではYouTubeが69.9%で突出し、次いでTVerやInstagramが約3割、TikTokが2割程度となりました。有料動画ではAmazonプライム・ビデオが29.1%で最も高く、Netflixが13.2%で続き、他サービスは1桁台にとどまっています。ライブ動画ではYouTube Liveが9.1%で先行し、TikTok LIVEやInstagram Liveが続く結果です。少数の主要プラットフォームが大きな到達可能性を持つ半面、カテゴリ内での競争は寡占的で、サービス間の差別化が利用の集中を生んでいる構図が見て取れます。
実務面では、到達面と費用対効果を重視する場合、主要プラットフォームへの集中的な展開が有効です。短期間で認知を広げたい場合はYouTubeを核に据え、無料領域での可視性を確保する設計が適しています。有料会員基盤にアプローチする際は、Amazonプライム・ビデオやNetflixの特性に沿ったタイアップや番組内企画など、プラットフォームの視聴文脈に沿う形での露出が効果的です。ライブ施策ではYouTube Liveを主軸にしつつ、TikTok LIVEやInstagram Liveを組み合わせ、告知と当日同時配信で参加率の底上げを狙う運用が現実的です。いずれも年代横断の到達と、増勢が続く有料利用層の深耕を両立させる計画立案が鍵となります。
本調査は、全国15歳から79歳の男女を対象に2026年2月に実施されたWeb調査で、有効回答数は6,748です。サンプリングは性別と年齢を5歳刻み、都道府県の人口分布に比例した割り付けで行われています。無料・有料・ライブ動画サービスのいずれかを月1回以上利用している人を利用者として集計しています。なお、ライブ動画サービスは2021年から調査対象に加わっています。過去の一部年では80歳以上をシニア層に含めて集計している点にも留意が必要です。スマートフォン比率98.3%やシニア関連の補足データは、同研究所の別調査結果に基づき示されています。
詳しくは「NTTドコモ モバイル社会研究所」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















