自社を「最初のお客さま」に見立てて、最先端AIの限界に挑む。そんな驚きのプロジェクトをNTTデータが始動しました。なぜ彼らは自らを実験台にするのでしょうか。Googleの最新AIとタッグを組んで挑む、まったく新しい働き方変革の全貌と、その裏に隠された驚くべき「勝算」に迫ります。
自らを実験台にする「クライアントゼロ」で築く次世代のAI協働モデル
大手システムインテグレーターのNTTデータは、2026年6月29日、Google Cloudと「Agentic Workplace Transformation(AWT)」に関する包括契約を締結しました。この包括契約に基づき、同社は国内外のグループ会社を含むすべての社員を対象に「Google Workspace」および「Gemini Enterprise」の導入を進めます。ここで注目すべきは、彼らが提唱する「クライアントゼロ」というアプローチです。これは、新技術を自社へ最初に導入し、実証実験や実務での適用を自ら行うことで、生の実践知やノウハウを蓄積する試みです。まずは自社が実験台となり、大規模組織ならではのリアルな課題や成功パターンを洗い出します。
今回の取り組みの背景には、企業のAI活用における大きな壁があります。多くの企業では、個人の生産性向上から組織全体へのAI導入へと舵を切る際、既存のオフィス基盤との併用やセキュリティルール、社員教育といった運用面での課題に直面しています。これに対し、Google Cloudが提唱する「AWT」は、AIエージェントが自律的にワークフローを自動化し、人とAIが協働する新しい働き方を目指すものです。NTTデータは、自社の実務環境において複数のプラットフォームを併用しながら、業務や利用者の属性に応じた最適な使い分けルールやガバナンスのベストプラクティスを確立していきます。
自社での検証によって得られた実践的なノウハウは、そのまま顧客への支援サービスへと還元されます。同社が強みとする組織横断の専門組織「CoE(Center of Excellence)」の立ち上げ支援や、セキュリティ設定、研修コンテンツといった一連のアクセラレーションプログラムに反映される予定です。これにより、顧客企業は自社での検証コストやリスクを大幅に削減しつつ、大規模組織で実証済みの確実なルートでAIエージェントを自社環境へ円滑に導入できます。2025年8月のグローバルパートナーシップ締結、2026年6月の国内サービス開始に続く今回の新たな一手は、日本のビジネス現場におけるAIドリブンな働き方改革を大きく加速させるでしょう。
見解としては、自社を実験台にする「クライアントゼロ」は、机上の空論ではない実践的な解決策を顧客に提示できる極めて付加価値の高いDX戦略です。 大規模組織における複数プラットフォームの併用やガバナンス構築のノウハウは、多くの日本企業が抱えるAI導入のボトルネックを解消する鍵となるでしょう。
詳しくは「NTTデータ」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部





















