株式会社帝国データバンクは、家庭で調理するカレーライスに必要な原材料と水道光熱費の全国平均価格から算出した「カレーライス物価」を公表しました。2026年8月は1食あたり348円となり、前月の349円から1円低下しました。水準は2カ月連続で300円台半ばを維持しつつも、東京都区部の動向を基にした前回予想の346円を2円上回りました。下落は続いたものの想定より緩やかな推移となり、価格調整のペースが弱まった形です。背景には2026年前半から進んだコメ価格の下落がある一方、天候不順による野菜価格の高止まりが重荷となりました。コメ高騰を契機とした動揺は後退したものの、食材価格全体はコロナ禍前より高い水準が続いています。
メニュー別の価格動向と前年同月比の差異
メニュー別では、最も高いのがシーフードカレーの501円で、次いでビーフカレーが459円でした。最も安いメニューはチキンカレーの215円となりました。前年同月比では5メニューのうち3メニューが上昇し、シーフードカレーが6円の上昇で最大となりました。上昇幅は2024年2月以来、2年6カ月ぶりに10円を下回り、ビーフカレーは5円、ポークカレーは3円の上昇にとどまりました。チキンカレーと野菜カレーは各4円の下落で、チキンは2カ月連続、野菜は3カ月連続で前年を下回りました。鶏肉と一部野菜の供給回復が進み、価格上昇圧力が和らいだことが確認できます。
物価指数の水準と今後の見通し
5メニュー平均から算出したカレーライス物価指数は2026年8月に135.9となりました。過去最高圏にある一方で、上昇トレンドの鈍化が鮮明になっています。2026年9月の見通しは1食平均342円前後で、8月から6円の下落が見込まれます。コメの店頭価格急落、野菜供給の安定、電気とガス料金の抑制が寄与し、当面は低下傾向が続く見通しです。特にコメは古米が5キログラム2000円以下の販売事例がみられ、令和8年産の銘柄米でも5キログラム3000円以下が常態化しており、年末にかけて一段の低下が予測されています。2026年後半はコメ安の押し下げ効果が強まり、2025年夏以来の安値圏に向かう可能性が高いとされています。
リスク要因と実務での備え
一方で、関東地方を中心とした記録的な長雨の影響により、ブロッコリーなど葉物野菜の大幅な値上がりが予想され、全体の低下を妨げる可能性があります。主要食材のタマネギ、ジャガイモ、ニンジンへの影響は限定的とみられますが、ジャガイモは来期の種芋不足が指摘され、2027年以降に再び値上がりへ転じる可能性があります。家計においては、価格が下がるコメの活用を進めつつ、葉物野菜の価格変動に応じて代替野菜の選択や購入タイミングの見直しが有効です。まとめ調理を前提としたコスト試算である点を踏まえ、必要量の最適化も支出管理に役立ちます。価格推移の鈍化が続くなかで、基礎食材の相場に注意することが、食費の安定に直結します。
詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















