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「わかりました」と言う人ほど、本当に変わっているか

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仕事をしていると、よく聞く言葉があります。

「わかりました」「理解しました」「次から気をつけます」

一見すると、とても前向きな言葉です。でも私は、この言葉を聞いたときほど、その後の行動を見るようにしています。なぜなら、理解したことと、変わったことは、まったく別だからです。

「理解した」で終わる人は多い

上司から指摘を受けた。研修で新しい考え方を学んだ。本を読んで刺激を受けた。AIの使い方を教えてもらった。その瞬間は、「なるほど」と思います。でも、翌日から仕事のやり方が変わったかというと、そうでもない。気づけば、また以前と同じやり方に戻っています。
これは珍しいことではありません。人は、新しいことを理解するより、長年続けてきた習慣を変える方がはるかに難しいからです。

変化は、行動に出て初めて意味がある

私は、「分かったかどうか」を言葉だけで判断しない方がいいと思っています。本当に理解したのであれば、何か一つでも行動が変わるはずです。会議の進め方を変える。報告の仕方を変える。AIを一度使ってみる。今まで自分で抱えていた仕事を誰かに任せる。お客様への聞き方を変えてみる。どんな小さなことでも構いません。

考え方が変わったなら、行動にも変化が出る。逆に、行動が何も変わっていないのであれば、本当の意味ではまだ理解していないのかもしれません。

「知っている人」が一番危ない

特に気をつけたいのは、「それ、知っています」という状態です。DXも、AIも、マネジメントも、人材育成も、知識として学ぶことはできます。でも、知識があることで、自分はできていると思い込んでしまうことがあります。

知っている。説明もできる。人にも教えられる。でも、自分ではやっていない。私は、これが一番危ないと思っています。知識がない人は、学ぼうとします。一方で、「知っている」と思っている人ほど、自分のやり方を疑わなくなるからです。

変革は、小さな実践から始まる

第1回で、DXの主役は「変革する人」だと書きました。では、変革する人とはどんな人でしょうか。

私は、大きなことを言う人ではないと思っています。何かに気づいたとき、「では、自分は何を変えるのか」と考え、まず一つやってみる人です。うまくいかなければ、また変える。その繰り返しです。

変革というと、会社を大きく作り替えることを想像しがちです。でも、その始まりはいつも小さい。一人の人間が、自分の行動を一つ変えることから始まります。AI時代は、知識を得ること自体はますます簡単になります。だからこそ、これから差がつくのは、何を知っているかではありません。知ったことを、どれだけ自分の行動に変えられるかです。

最後に、皆さんに一つ問いかけます。最近あなたが「わかりました」と言ったことの中で、実際に変えた行動はいくつありますか。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
富士通、ソフトバンクを経て99年に現セブンネットショッピングを設立。セブン&アイHLDGS.取締役執行役員CIOとしてグループのデジタルトランスフォーメーションを推進。17年にデジタルシフトウェーブを設立し現職。日本オムニチャネル協会会長等も務める。

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