総編集長コラム

2022.07.13

業務の課題を原因や優先度で分類、3つの方法で課題解決を模索せよ

業務改善に取り組む上で不可欠な業務フロー図。業務の無駄を洗い出し、業務を平準化するのに有効な手法です。では、顕在化した業務の課題をどう整理すべきか。整理の方法を解説します。なお、本連載はプレジデント社「成功=ヒト×DX」の内容をもとに編集しております。

課題を整理する4つのプロセス

 前回は、業務フロー図を作成するポイントと、各業務の担当者へのヒアリングの進め方を紹介しました。では、業務の流れと課題が明確になったら、次に取り組むのが「課題の整理」です。

参考:前回の記事/業務フロー図を作成する際のポイントはこちら
業務の流れと課題を丸裸にする業務フロー図の描き方

 ポイントは、類似する課題をグルーピングすることです。まずは大きな分類でグルーピングし、課題の原因を意識してさらに細かく分類します。

 課題の整理・分類は、業務フロー図と全体を俯瞰し、根本となる原因を探りながら実施することが大切です。もし課題だけを見て整理・分類すると、原因の究明や解決も表面的なものになってしまいます。課題を慎重に精査し、表面上は見えない原因を探るようにします。

課題を優先度で整理する

 課題を整理・分類したら、「緊急度・優先度のマトリクス」に分類します。これは優先順位を付ける際のフレームワークです。横軸を緊急度、縦軸を重要度にし、2つの評価をもとに優先順位を付与します。
図1:緊急度・重要度のマトリクス

図1:緊急度・重要度のマトリクス

via 出典:プレジデント社「成功=ヒト×DX」
 このフレームワークでは、第1領域から第4領域までの4つに課題が分類されます。各領域は具体的にどんな課題が当てはまるのか。以降で詳しく解説します。

第1領域:緊急かつ重要
 もっとも優先順位が高い課題が対象になります。クライアントからクレームがあったときの対応は第1領域に該当します。

 第1領域で大切なのは対応スピードです。対応が遅れると利益の損失に直結します。逆に言えば、大きな損失を招かない課題は、第1領域に含まれません。

第2領域:緊急ではないが重要
 2番目に優先順位が高い課題が対象になります。例えば、戦略を検討したり、インプットしたりする時間が第2領域に該当します。

 緊急度を伴わない課題のため、多くの人は後回しにしがちです。しかし未来に向けた投資になるので、意識的に優先度を高めることが大切です。

第3領域:緊急だが重要ではない
 3番目に優先順位が高い課題が対象になります。例えば、クライアントが関わる報告業務などが第3領域に該当します。

 クライアントが関わる以上、対応は必要ですが、必ずしも利益に直結しない課題が含まれます。効率よく解決する方法を模索するのが望ましいでしょう。

第4領域:緊急でも重要でもない
 もっとも優先順位が低い課題が対象になります。社内報告業務や情報共有など、自社内で完結する課題が第4領域に該当します。

 クライアントに影響が及ばない課題のため、後回しにして構いません。むしろ、思い切って削減することも検討すべき課題と言えます。
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