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コラム

AX推進の実践ステップ ― 何から着手すべきか【AXとは何か?人と企業はどう進化するのか。第4回】

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ここまで、AXとは何か、現場や組織にどんな変化をもたらすかを見てきました。今回は、実際にどこから手をつければよいのかという実践の話です。

最初のステップは「小さく始めて検証する」ことです。いきなり全社的な導入や、大きな業務プロセスの刷新から始める必要はありません。一つの部署、一つの業務に絞って試してみることをお勧めします。ただし落とし穴もあります。それは「PoC(概念実証)止まり」という問題です。小さく試すこと自体は良いのですが、検証して終わり、次に進まないケースが非常に多い。小さく始める目的は、あくまで本格導入に向けた学びを得ることだと忘れてはいけません。

次に大事なのが、社内の合意形成です。AIの導入は、時に「自分の仕事が奪われるのではないか」という不安を現場に生みます。この不安に正面から向き合わずに進めると、表面上は協力しているように見えても、実際には使われない、あるいは意図的に活用が避けられます。有効なのは、「AIが代替する部分」と「人にしかできない部分」を具体的に示すことです。曖昧な期待や不安のままにせず、言語化することが合意形成の第一歩になります。

そして、経営者やリーダー自身のスタンスも問われます。AXは情報システム部門に丸投げできるテーマではありません。経営者自身が、自社の業務のどこにAIが入り込む余地があるのかを理解し、判断の軸を持つ必要があります。すべてを自分で学ぶ必要はありませんが、「何を任せ、何を自分で判断するか」を決める責任からは逃れられません。

小さく試し、学びを得て、次の範囲に広げる。この繰り返しの中で、社内の納得感を育てながら進めていく。これがAX推進の王道であり、近道はありません。

もう一つ付け加えるなら、進める速度そのものより、学びを次に活かす仕組みがあるかどうかが重要です。うまくいった取り組みも、うまくいかなかった取り組みも、どちらも社内で共有し、次の部署や業務に展開する際の材料にする。この地道な積み重ねこそが、AXを一過性のブームで終わらせないための土台になります。

次回は最終回として、AI時代に求められる働き方やリーダー像についてお話しします。

【AXとは何か?人と企業はどう進化するのか。第4回】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
富士通、ソフトバンクを経て99年に現セブンネットショッピングを設立。セブン&アイHLDGS.取締役執行役員CIOとしてグループのデジタルトランスフォーメーションを推進。17年にデジタルシフトウェーブを設立し現職。日本オムニチャネル協会会長等も務める。

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