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インタビュー

変革を加速させるDXの可能性~【後編】DXマガジンはDX実践者が集まる“場”を目指す~

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「DXマガジン」は何を目指し、世の中をどう変えたいと願っているのか。ここではDXマガジン創刊企画として、総編集長の鈴木康弘と総合プロデューサーの大久保清彦が描く”DXマガジン像”をお届けします。人の意識改革の必要性を訴求した前編に続き、今回の後編では「DXマガジン」の役割、取り上げる記事のコンセプト、どんな人に読んでもらいたいのかなどをお送りします。

いろいろな人が集まる現代版“松下村塾”

鈴木:仕事を通じていろいろな人と話をする中で感じるのが、DXをよく理解していない人が多いということ。言葉だけが独り歩きし、その背景や目的、理想の姿を描けずにいる人が多いように思います。こうした状況を変えたい。そんな思いで立ち上げたのが「DXマガジン」です。  もともと「デジタルシフトマガジン」というオウンドメディアを2020年3月より運営していました。DXに対する私の思いを伝えたり、有識者にDXについて寄稿してもらったりし、DXやデジタルシフトを啓発してきました。しかし、コンテンツの更新は不定期で、何より世の中に流れる最新ニュースなどの動きを追いきれていなかった。そこで、DXやデジタルシフトの啓発と最新ニュースが一体化したメディアを用意したいと考えるようになりました。そんなことを考えながら大久保さんと話していると、漠然としたものが少しずつ具体化していき、本格的なメディアを立ち上げることになったのです。オウンドメディアでは不可能な「中立的」なメディアづくりを目指しました。 大久保:メディアは時代に応じて、必要だから生まれるものだと思っています。例えば昔、娯楽が小説しかない時代は小説の雑誌が売れた。時代の変遷に応じたメディアが登場していると思います。そして今、どんなメディアが求められているのかを考えたとき、鈴木さんが提唱する「デジタルシフト」こそ必要なのではと感じました。これまでデジタルシフトやDXに関する情報を発信する専門メディアがなかった。世の中はまさにこれを求めているんだろうと思いましたね。 鈴木:私はイベントやセミナーでよく講演させてもらってますが、そこでは「DXって何?」「どうすればDXってできる?」とほぼ同じような内容ばかり。であれば、きちんとDXを知ってもらうメディアを立ち上げるべきだと考えました。  特に伝えたいのは、DXはIT導入ではなく「人の意識改革」をなし得ることが本質だということ。では、どうすれば人の意識を変えられるのかというと、その1つがメディアの力なのかなと思います。テレビや雑誌など、メディアの形態はさまざまですが、多くの人がこれらに多大な影響を受けているのは事実です。「こんな人があんなこと言ってる」「他社はこんな取り組みしている」「これからはこうなるんだ」と、新たな発見を手助けできるメディアをつくろうと、大久保さんと一致したんです。 大久保:コロナ禍では、感染防止策やワクチンの情報などの価値がひときわ高くなります。こうした情報を各家庭や各人に届ける裏側には、ITが必ず使われています。そこでは新たなテクノロジが導入され、より効率的に必要なタイミングで情報が届くようになっています。こうした仕組みを考え、具現化するのがDXです。社会のインフラとしてDXが求められている。ならば、求められている情報をメディアとしてきちんと伝えるべきだと考えました。 鈴木:メディアを通してDXの動きを少しずつでも知ってもらえば世の中は変わる、そう思っています。例えば、多くの人が心の中で「DXはこうあるべきだ」と思っていても、周囲に向かって言えないことがあるとします。しかし、「DXはこうあるべきだ」と同じように考える人がメディアで発言し、同じように発言する人が徐々に増え出したら、もともと同じ考えを持っていた人も周囲に堂々と言えるようになるはずです。こうした変化をメディアを通して促せればうれしいですね。  私は「DXマガジン」の総編集長として、DXへの思いを発信していきたいと考えています。中でも特に取り組みたいのが、DXを推進したい、成功させたいと思う人同士が集まる「場」をつくること。いろいろな意見が飛び交い、みんなの成功ノウハウや経験を共有すればするほど、日本のDXは加速するのではと考えます。理想は「松下村塾」。いろいろな人が集まり、仮に私がDXへの思いを伝えずとも塾に参加する人同士で教え合ったり、DXのノウハウを伝授したりすればいいのでと思っています。メディアとして情報を発信するだけではなく、読者も参加し、手を取り合って日本のDXを推進する、そんな取り組みを目指します。

使い方以外の価値も訴求するメディアづくりを

鈴木:「DXマガジン」は、自社という枠にとらわれず、世の中をよくしたいと思っている人にぜひ読んでもらいたいですね。何かをなし得ない、そんな漠然とした思いを常々抱いている人、将来に向けて何かに取り組みたいと思う若い人にも読んでいただけたらうれしいです。 大久保:「DXマガジン」は、DXの進め方や大切なポイント、注意点などをまとめた実用誌のような位置付けになればと考えます。例えば戦後のころなら、洗濯機やクーラーの使い方などをまとめた実用誌もあったはず。こうした暮らしに役立つ情報を参考にした当時の人々は、それこそ暮らしを“DX”したに違いありません。洗濯の手間から解放されて別のことに時間を費やせるようになった、クーラーで快適に過ごせるようになったことで家での過ごし方や遊び方が変わったなど、これらは現在のDXが目指すビジョンと何ら変わりはありません。DX関連の情報を活用すればこれまでの環境や体制を変えられるのでは。そう思っている人にこそ「DXマガジン」を読んでいただきたいと思います。 鈴木:同感です。洗濯機やクーラー、さらに冷蔵庫やガスなど、暮らしに役立つ情報は今もたくさんあるが、そこには使い方だけではなく、節約術や比較検討など、いろいろな切り口のコンテンツが存在します。「DXマガジン」も同様に、ITの使い方だけではなくコストや時間を圧縮するアイデア、IT製品・サービスを比較するための要素など、さまざまなコンテンツを提供できればと思います。 大久保:Web会議システムも同じことが言えますよね。新型コロナウイルス感染症の拡大で、多くの企業で導入が進みました。当初は社内ミーティングや顧客との商談などを目的に使われていたが、今ではWeb会議システムを使った「オンライン飲み会」を実施する企業も少なくありません。基本的な使い方にとどまらず、新たな使い方のアイデアにこそ価値があることも。「DXマガジン」はこうした価値も提供できるようにしたいですね。

枠にとらわれないDXの考え方を「DXマガジン」で体現

鈴木:新型コロナウイルス感染症をきっかけにテレワークを実施する企業が増えましたが、中には仕事とプライベートの境界がなくなり、遅くまで仕事に没頭してしまう従業員が増えた、なんて話を聞きます。これからは、個人が時間をコントロールすることが求められます。そうなったときに大切なのが「遊びの時間」。新しい取り組みや考えって、遊びの中にヒントが隠れていることがよくあります。子供と遊んでいたり、旅行に出かけたりしたときに気付くことってありますよね。デジタルやITをどう活用するかを考える一方で、アナログの機会も大事にしなければならないと考えます。「DXマガジン」ではデジタルやITの話だけではなく、新しいアイデアを生み出すきっかけになり得るアナログな視点をどう訴求するか。これを考えることも大事な使命だと感じています。  もっとも、何でもDXと結び付けてコンテンツ化するのもどうかと思っています。最近はいろいろな取り組みを、DXというキーワードに紐づけて訴求するケースが増えている。IT導入がDXという考えも今なお根強い。こうした「DXバブル」にはしっかり警鐘を鳴らしていきたいですね。  DXにはいろいろな視点、解釈があると思いますが、突き詰めていくと「日本が元気になる」。これがDXによって描かれるゴールの1つだと思います。そのためには、一人でも多く、DXを推進する変革者が世の中に出てくることを願います。こうした変革者の輩出を「DXマガジン」が微力ながらも手伝えればと思います。 大久保:DXを成功に導くためには、いろいろなことを考え、取り組み、失敗を糧に繰り返されなければなりません。これらを推進するためにはさまざまな情報も必要になるでしょう。そのとき「DXマガジン」は、情報を提供する“情報誌”の役割ではなく、それらの情報を使ってどう実践するのかを示す“実用誌”であるべきと考えます。実際に手を動かしてDXを実践するすべての人に読んでほしいですね。 鈴木:DXは今後、どの会社も避けては通れない取り組みになります。ならば、経営者はもとより、従業員一人ひとりがDXを正しく認識し、変革者として取り組んでほしいと思います。こうした人の変革を後押しするきっかけを「DXマガジン」が担えれば幸いです。DXってアプローチや取り組み方、取り組んだ後の世界、答えは必ずしも1つではありません。こうしたいろいろな考えやアイデア、描かれる世界を紹介すればするほど、「DXマガジン」も魅力的になると考えます。  既存の枠にとらわれないことがDXでは不可欠。ならばその考え方を「DXマガジン」でも体現できるようにしたいですね。

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