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7,400館の図書館がAI対応に、検索・選書の方法が大きく変わる可能性

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カーリルがMCP対応の「カーリル for AI」ベータを開始。全国約7,400館に対応し、ClaudeやChatGPTから蔵書を直接検索できる時代が始まります。 

株式会社カーリルは2025年10月9日、AIアシスタントから全国の図書館蔵書を直接検索できる「カーリル for AI(カーリル図書館MCP)」のベータ提供を開始しました。Model Context Protocol(MCP)に対応することで、ClaudeやChatGPTなど主要なAIから統一にアクセスでき、追加アプリの導入を不要にするリモートMCP方式を採用しています。カーリルが接続する約7,400館のうち公共図書館での対応率は98%を目安にしており、年度内に全館展開を目指すとしています。 
 
機能面では、フリーワードに加え書名・著者・出版社・出版年・NDC(日本十進分類法)など図書館の一般的な検索条件に対応し、AIが検索結果を参照して自律的に条件を変更したり複数館の所蔵状況を比較することが可能です。利用イメージとしては「中学生向けのSDGs本を名古屋市で探して」のような自然言語による検索、展示コーナー用の自動リスト生成、選書方針に基づく蔵書評価やレファレンス業務の支援が挙げられ、Claude(web/desktop)、ChatGPT(Plus/Pro)、VS Codeでの動作確認が報告されています。 
 
提供は当面ベータ版として無償で行われ、利用者単位のアクセスレート制限を設けて公平に運用するとしています。カーリルは従来のアフィリエイト・広告依存からの転換を課題としつつ、すべての個人ユーザーが無償で使い続けられる前提で任意支援や寄付など新たな費用負担モデルを検討しています。一方でAI回答の誤りに備え、司書や専門家による検証の重要性、メタデータ品質・更新頻度、プライバシーや利用ログの運用ルール整備が必要であるとも明記しています。図書館総合展(10/22–10/24)での実演や、10/15のオンラインチュートリアル開催で実運用の課題を収集し改善していく計画です。 
 
MCP対応により図書館データがAIと自然に結びつく第一歩が踏み出されました。導入の手軽さが普及の鍵になる一方、検証体制と持続可能な資金モデルの整備が今後の成否を左右します。 
 
詳しくは「株式会社カーリル」の公式ページまで。 
レポート/DXマガジン編集部 

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