日本IBMは、IBM Institute for Business Valueが実施したCDOスタディ2025「AI活用による飛躍的な効果の創出」の日本版を公開しました。世界27地域19業種で1,700人のCDO層を対象に、2025年7月から9月に実施した調査結果を取りまとめたものです。企業のAI活用が大規模展開段階に近づく中で、エンタープライズ・データ戦略の統合が進む一方、データ品質やアクセス性が依然として活用の障壁である実態が示されています。CDOの81%がAIケイパビリティーや施策を促進する投資を優先し、企業固有データの活用を差別化戦略の最重要要素と捉える比率は78%に達しました。しかし、自社データが新たな収益源になっていると自信を示す層は26%にとどまっています。IBMのCDOエド・ラヴリーは、統合されたエンタープライズ・データ・アーキテクチャー確立の重要性を強調しています。
データ価値の証明と役割変化。ガバナンスより競争優位の創出へ
CDOの92%が成功の鍵としてビジネス成果へのフォーカスを挙げ、役割がデータ管理者からビジネス戦略家へ移行している傾向が示されました。一方で、データがどのように成果を生むかを明確に伝えられると答えたのは約3分の1で、価値測定指標を保有する割合も約3割にとどまります。競争優位の確立を最優先とする動きが強まり、企業固有のデータ・プロダクトが大きな優位をもたらしているとの回答は84%でした。企業固有データの活用が差別化の最重要戦略だとする回答は78%で、ガバナンスやセキュリティーより優先される傾向が見られます。AI展開の意欲は高いものの、非構造化データのビジネス活用ができているとする割合は26%にとどまり、実行面の課題が浮き彫りです。
AI展開の鍵は分散データ活用と人材。日本市場の論点も浮上
CDOの81%がデータを一か所に集約せず所在で活用するとしており、多様なデータ・セットでAIエージェント学習を進める取り組みも約8割で開始されています。ただしスケールやガバナンスは初期段階との認識が大勢で、メリットがリスクを上回るとみる回答は83%でした。人材面では、高度なデータ・スキルの採用や育成、定着を最重要課題とする回答が47%へ増加し、必要スキルの確保ができているとの自己評価は53%まで低下しています。日本の企業では、部門最適によるデータの分断やKPI定義の不統一、責任主体の曖昧さが共通課題として示唆されています。再利用可能なデータ・プロダクトと、統制されたかたちで部門やシステムをまたいで活用できる基盤の整備が、PoCから本番への拡張や継続的な価値創出に向けて求められます。
詳しくは「日本IBM」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部 權






















