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金融庁、高利回り「プライベートクレジット」の実態調査を開始。G7での議論も視野に

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日本の金融庁が、欧米で問題が表面化しているプライベートクレジットを巡り、日本の大手金融機関を対象に実態調査を始めました。関係者の説明では、融資状況やリスク管理の把握を目的とし、日本への波及可能性を見極める狙いがあります。片山さつき財務・金融担当相は主要7カ国との連携の重要性に言及しており、来週のG7財務相・中央銀行総裁会議で取り上げられる可能性があります。現時点で国内のエクスポージャーは限定的とみられ、金融システムへの大きな影響はないとの見方です。それでも、地政学要因で市場のボラティリティが高まる中、海外発の信用不安が波及するリスクに警戒を強めています。国際会議での議論や海外当局の対応を踏まえ、状況把握を継続する方針です。

プライベートクレジット市場の拡大と米国偏重の構図

プライベートクレジットは、銀行以外の金融機関がファンドを通じて資金を集め、企業などに融資する仕組みです。高い利回りが支持され、投資家から資金が流入してきました。米連邦準備理事会のデータでは、2024年第2四半期時点の世界の市場規模は約2兆ドルで、2009年の5倍に拡大しています。このうち米国が大半を占め、1兆3400億ドルの規模となっています。背景には長く続いた低金利環境での利回り追求がありましたが、状況は変化しました。2022年以降の急ピッチな利上げで政策金利が5%を上回る水準に達し、借り手の返済負担が増加しています。結果として、企業の破綻の増加につながっている点が注目されています。

欧米での破綻増加と解約請求の急増、金融庁の警戒姿勢

米国では昨年、米自動車部品メーカーのファースト・ブランズなど借り手企業の破綻が相次ぎ、投資家の解約請求が急増しました。契約上の引き出し上限に達するファンドが続出し、運用の柔軟性が損なわれています。イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、こうした破綻を特殊事例として片付けるべきではないとし、プライベートクレジットの特徴は非常に不透明な点だと指摘しました。個別案件に見える事象でも、投資家が疑心暗鬼に陥れば市場全体に波及しかねないという見解です。日本の金融庁は、国内大手のエクスポージャーは現時点で限定的とみていますが、海外での信用不安が拡大すれば影響は避けにくいとの認識です。中東情勢の緊迫化で市場の変動が高まる局面では、波及リスクをより慎重に見極める必要があります。

国内調査の焦点と今後の注目点

今回の実態調査では、国内大手金融機関の融資状況やリスク管理の体制、解約請求への対応などが確認対象となります。資金繰りの逼迫が借り手企業に及ぶ中、ファンド側の引き出し制限の運用や情報開示の在り方が重要です。市場規模が米国に偏在するため、米金融政策の方向性が引き続き鍵を握ります。金融庁は国際会議での議論や海外当局の動向を把握しながら、国内への波及可能性を継続的に点検する姿勢です。実態調査の結果が示されれば、モニタリングや管理手法の検証に反映される見通しです。G7での取り上げの有無や、欧米での破綻件数と解約動向の変化も重要な手掛かりとなります。

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